20091130

お腹と心を満たすもの


実をひとくち。美味しい食事の最後に、素晴らしい未来の始まりに、魔法を1つ。
たった一言で恋が始まるように、たった一度のキスで愛を知るように、ほら、このヒトクチで、君は幸福の意味を知る。

プティシュー


京都
京都ネーゼ きょうとねーぜ
http://kyotonese.hp.infoseek.co.jp/

20091129

ヒトクチの魔法

の中で訪れた、不思議な場所。そこは商店街の中にある、可愛いお菓子屋。ときめく心と煌めく瞳を持っている者だけが、その店を見つけることが出来る。
秘密の扉を開けると、そこは妖精の国。小さく光る水滴の中に七色の虹を見つけ、甘い歌声をそよ風に乗せて、緑の中で季節と共に踊る妖精たちが、僕らの夢と、星の雫で作り上げたお菓子を並べている。
さぁ、ひとつ。ひとくち食べてみて。そして目を閉じて、味わって欲しい。…ほら、君の時間は、子供の頃に戻るはずだ。
そう、これが魔法だよ。


京都
Magasin Des Fraises マガザン・デ・フレーズ
http://ichigonoomise.com/

20091128

童話のタマゴ


世界は夢を見る。七つの海と空と大陸を駆け巡り、想い、歌い、旅をする。タマゴの中で眠るのは、世界そのものなんだ。生まれてからの冒険にワクワクしながら、今夜もまた、甘い眠りの中で微笑んで。

壁から落ちたハンプティ・ダンプティは、元には戻らなかった。
でもね、この卵の殻が割れた時は、世界が始まる瞬間なんだ。
ほら、僕たちの世界がはじまるよ。


京都
trattoria sette トラットリア・セッテ
http://www.trattoriasette.jp/

20091127

種を蒔く者


想像力で、世界を見よう。1杯の珈琲の中に沈む世界を。その深い琥珀色の時の中で、1つの夢を見よう。
美味しくロースとされたコーヒー豆で、僕らはコーヒーを入れる。赤い宝石から、黒いビロードの時を得ているんだ。
収穫された豆を、良く見てみよう。火種を蒔いてはならない。夢の種を蒔こうよ。事実を知ることで、僕らは夢を選べるんだ。
このカップの中に、未来の夢を。


京都
GLOBE MOUNTAIN COFFEE グローブマウンテンコーヒー
http://globe-mountain-coffee.com/

20091126

清らかなる風のように


しい風に乗って届く、美しき想い。その清けし風味と印象。
つぶ餡は、ふんわりと暖かな日だまりの香り。こし餡は、澄んだ小川のせせらぎの音。きな粉は、薫り立つ大地の豊穣を感じさせてくれる。
おはぎは素朴な和菓子だけど、萩の花は、万葉集では最も多く詠まれた花。これほどまでに美しいと感じる餡の風味を、私は他に知らない。

余韻に花が咲く感覚を、はんなりと呼ぶのです。


京都
今西軒 いまにしけん

20091125

この想いは

しい毎日のために、日々の食卓を幸せにする事こそが、パンにとって最も大切なのだと考えている私にとって、これほどまでに幸せを与えてくれるアンパンは、他には無い。
上賀茂神社の門前にある、やきもちを模した餡パン。薄衣に幸せを包み込み、笑顔で届けてくれる。
やきもち風あんぱんの写真を貼らなかったのは、幸せの味と共に、喜びも味わってもらいたいから。
初めて出会うであろう、驚きと共に。


京都
BOULANGERIE Marry France マリーフランス

20091124

手をつなごうよ

幸せの色、幸せの香り、幸せの音。舌が感じるのは味覚だけでは無くて、彼方の景色や想いや未来までも、そっと知ることが出来る。
さっくりザクザクざっくりと。ほら、歌声が聞こえるよ。そしてジンジャーブレッドマンは歩き始める。棚の奥から、テーブルの上から、君のポケットの中から、まだ見ぬ世界と魔法の国へと冒険の旅へ。

さぁ、世界と手をつなごうよ。


京都
北山紅茶館 きたやまこうちゃかん
http://www.kitayamakochakan.com/

20091123

ふわり


想像の翼を広げ、天使にくちづけを。
青空に浮かぶ雲のように、空にフワリと遊ぶ春の雲のように、淡く溶けていく頬笑みショートケーキ。
こころときめいて。やわらかな光に抱きしめられたような、幸せな感覚でした。


京都
Point Pour Point ポワン・プール・ポワン
http://www.ppp-kyoto.com/

ふたり


想いは線となり、点と点を結ぶ。2つの間を繫ぐもの。二人の間を結ぶもの。
店名を冠するのはガトー・バスク。伝統的なお菓子に、ささやかなる味付けを。素材と素材を結び、時代と時代を繫ぐものは、ほのかに甘く、優しく微笑むように。
誰かと誰か、何処かと何処か。素朴なお菓子が結ぶ、ふたりの幸せに。


京都
Point Pour Point ポワン・プール・ポワン
http://www.ppp-kyoto.com/

20091122

しあわせ


る夢の香りは甘く、こころは穏やかに微睡みながら、ゆっくりと溶けていく時間の中で、僕は幸福の意味を知る。
輝くグラスにたっぷりと、甘く濃厚なアイスクリームを入れて、ほろ苦い想い出のようなエスプレッソを。
スプーンでひとくち。うっとりとして目を閉じると、濃い闇に包まれて、夢の国へと落ちていく。それがコレ、幸せ気分のアイスクリーム。


京都
caffè Verdi カフェ・ヴェルディ
http://www.verdi.jp/

20091121

優しさに包まれて


供を愛する母の優しさを、素朴さの中に秘めて。店名のマウジーは、母が息子を呼ぶ愛称(小ネズミちゃん)だそう。だから、愛情が込められているのなら、お菓子はちょっと甘すぎるくらいでちょうど良いのだと思った。
ウィーンの伝統的な生菓子と焼き菓子が並び、どれも丁寧に作られており、甘いものは甘く、素材感はしっかりとして、でも素朴な優しさを感じるお菓子たち。
…うん。
甘さよりも優しさを強く感じるのは、私がお菓子を敬愛する、甘い息子だからかも知れない。


京都
KONDITOREI Mausi コンディトライ・マウジー

20091120

花の香る場所


食卓に花を。花の香る会話と笑顔を。
カフェに集まる理由は人それぞれで、ある人は遅い朝食を、ある人は珈琲を、ある人は新聞を読むために訪れる。でもね、共通するのは皆、その場所が好きだからだと思う。そしてそこには必ず、楽しい会話があるんだ。
友人達と、恋人と、家族と etc.
独りであっても、無言の会話(窓から見える風景や時間、または店の雰囲気や、テーブルに並べられたお皿やカップの中と)があるハズで、だからこそこの場所へと足を運ぶんだ。

フランス語が分からない友人が、初めてパリを訪れたとき、
『フランス人の顔を見ていると、恋の話しをしているようにしか思えない!』
なんて言っていたのを思い出したよ。


京都
Le Café ル・カフェ
http://ifjk.jp/cafe

20091119

ある日、森の中、


素朴な優しさと美味しさに会いに、森へ行こう。あのカフェが好きな熊さんもいるから、森へ会いに行こう。美味しい匂いに誘われて、森への小径をスキップで。
焼き立てのタルトとキッシュ、カレーに珈琲。紅茶も美味しいの。ほら、今日が始まる。美味しく楽しい1日が、このテーブルからはじまるよ。


京都
cafe marble カフェ・マーブル
http://www.cafe-marble.com/

20091118

幸せを運ぶもの


福がやって来ますようにと願いを込めて、翼の生えた豚に1ペニッヒを。
幸せを運び、福をもたらす豚のように、喜びと笑顔をもたらしてくれる、美味しいお菓子をどうぞ。この小ブタの笑顔が、あなたのココロへと届きますように。

こうして上から見ると、白いチュチュを着たバレリーナのようですね♪
ならばきっと演目は、くるみ割り人形でしょう。あなたもホラ、お菓子の国で踊りませんか?


京都
Konditorei GLÜCKS-SCHWEIN グリュックスシュバイン
http://www.geocities.jp/glucks_schwein1987/

20091117

いただきます


宝を意味する造語、オレノ。宝箱の鍵とか、宝の地図とか、新たな発見とか、たった1つの大切なものという意味の言葉たちから創られたそう。
では、このクリームパンに秘められたものは、いったい何だろうか?
答えはそっと、囁くように、君の胸へと届くのです。…ほら、ね。

1つ1つに想いを込めたパンを、大切にいただく事により得られるもの。それが貴方の宝物になることを、深く深く祈ります。


京都
ORENO PAN okumura オレノパン・オクムラ
http://www.kyoto-okumura.com/orenopan.html

童話の世界へ


森を感じる一皿に、今夜も甘い夢を見る。迷い込んだ先の物語を、忘れられない冒険を、子供であった頃の想い出たちに会うために、その一皿に夢を見る。
季節のフルーツは宝石のように輝いて、重要な鍵や門や妖精のように、眠る森を囲んでいた。
紅茶の呪文を胸に、さぁ、その銀のスプーンを持って歩き出そう。この香る世界では、君が主人公なんだ。


京都
Le Patissier Okumura ル・パティシエ・オクムラ
http://www.kyoto-okumura.com/

20091116

キノネ、コトノハ。


和やかな雰囲気は、水面に広がる波紋の様に、幾重にも重なる輪を描き、静かに音も無く。
息をひそめ、瞬きする音すらも消し、すっと景色に溶け込んで。
ほら、目を開けて。心の目を。
君の瞳に映るもの。
君の心に響くもの。
此処にもあった、日だまりのような優しさに、出会えた事に感謝して。

バウムクーヘンは木の年輪を模したものだけれど、重なる層は、月日の流れや季節の想い出と重なるけれど、ひと切れをそっと、口の中に入れた時に感じたものは、風や水の気配だった。
それは樹の歌かもしれない。
何処かへ、または何処かで、深く繋がる縁や記憶のように、穏やかな雰囲気を感じた。
1本の木だけでは無く、大地や空をみつめて、心の森へと出掛けよう。


京都
Süßes Vegetus ズーセス・ヴェゲトゥス
http://www.sv-baum.com/

20091115

Splendor


濡れる秋の静けさに、薫り立つ大地の声に耳を澄ませ、琥珀色に輝く時を想う。
深まり、暮れ行く秋の黄昏に、君は何を見つめているのだろうか。
秋雨は、僕たちのあの温もりを奪っていくけれど、蘇る薫りと甘さは、ただ愛しくて。

しっとりと輝くタルトタタン。林檎の甘さとほろ苦さを引き出して、時の魔法で閉じ込めた宝石のように、うっとりとする恍惚のタルト。
下に敷かれた薄いフィユタージュが、雨に濡れた落葉のようで、季節の中を歩いているのだと感じさせてくれる。


東京
LA VIEILLE FRANCE ラ・ヴィエイユ・フランス

20091114

Bon voyage


旅に出よう。何処に?日常に。未来という名の国の、ありふれた日常に。素朴で素敵な、徒然とした毎日に。
希望と音楽と、あたたかい気持ちが込められた、美味しい美味しい焼き菓子を持って出掛けよう。
ハジメマシテの街へ。タダイマの家へ。おかえりなさいと言ってくれる、キミのところへ。未だに出会えぬ、アナタの元へ。未来にたたずむボクに会うために。
アリガトウを鞄に詰めて、僕らは今日も旅に出る。

良い旅を!


東京
Le Petit poisson ル・プティ・ポワソン
http://www.le-petit-poisson.com/

20091113

キラキラと輝くもの


星のような煌めき。それは、見つめ合う二人の、瞳と瞳の間にあるもの。この果実が愛されるのは、恋心を秘めているから。甘く甘く甘く、そしてちょっぴりすっぱい苺は、恋人達の宝石。
そんな苺を使ったショートケーキは、実は日本のオリジナル。ふんわりとしたスポンジと、夢見る生クリームの上に、輝く苺を乗せたショートケーキは、日本人なら誰もが好きな味だと思う。
日本人のために、フランス人のシェフが作ったのは、こんなにも瑞々しいヴェリーヌ。赤と黒のストローは、恋心に刺さったクピドの矢かもしれません。


東京
Pâtisserie Cacahouète Paris カカオエット・パリ
http://www.cacahouete-paris.jp/

20091112

染まりゆく季節

宵闇へと染まりゆく、茜色の空に浮かび上がる紫の嶺。雅びな色彩の中で感じた望郷の念は、どこか恋の余韻に似ていた。
ふわりと包み込むような甘さと想い出は、いつの事であっただろうか。しっとりと暮れていく風景の中に佇み、通り過ぎていく風と時を、私はただ眺めていた。

 暮れゆく秋の黄昏に 連なる深紫の山々を見上げ
     ひとひらの紅葉に 散りゆく夏の想いを重ね


東京
patisserie de bon coeur ドゥ・ボン・クーフゥ
http://dbc.apartment-key.com/

20091111

想いのコフレ


贈る気持ちと美味しさを、丁寧に丁寧に。あなたの瞳を輝かせるために、ハートを小さな箱に詰めましょう。ショーケースには、しっとりとした華やかな半生菓子や、サックリと軽く、笑うようにリズミカルな焼き菓子が並んでいます。
迷いながらも選ぶ喜びと、贈るあの人の笑顔を想いながら、この楽しい気持ちも一緒に包みました。幸福という名のリボンをつけて。


東京
Le Coffret de Coeur ル・コフレ・ドゥ・クーフゥ
http://www.coffret-coeur.net/

20091110

Bonnet


めく帽子は、乙女心に輝くティアラ。この小さなクグロフは、大きなリボンを付けたボネのようで、全ての少女と、かつて少女であった淑女達のために、ふんわりキラキラと微笑んでいた。
帽子が、神への敬虔さの現れとするならば、この少女達の祈りとは何だろうか?その願いは?その想いは?
…そうだね。キミが笑顔でいるならば、神も天使も運命も、きっと笑顔を返してくれますよ。

アナタが幸せでありますように。


東京
Kaori Hironé カオリヒロネ

風に吹かれて


爽やかな未来を感じさせてくれる風は、透明な光を吸い込んで、鮮やかな緑の野を駆け抜けていく。遥か彼方に伸びのある歌声を聞いた気がして、静かに瞳を閉じてみた。…すると、静寂という音楽の中で、そっと耳元で囁く妖精の声に驚いて、僕は目を開けた。
あぁ、葉先に煌めく露の中に、小さな虹を見つけたよ。僕は優しく吹く風に大きく手を広げ、空を抱きしめたんだ。
そのとき心に訪れたものを、世界は希望と呼ぶんだきっと。


東京
Kaori Hironé カオリヒロネ

瞼にキスをするように


恍惚の溜息。艶やかなショコラのドレスを纏い、ふわりと柔らかな羽の上に佇む君よ。愛しくてキスをすると、淡く儚く消えてしまいそうで、夢と幻の間を暫し彷徨う。
五感を越えて、側に寄り添うように。忘れられぬ想い出として、永遠に美しく。

ご褒美シリーズは、やわらかく、夢見るように優しいクリームとスポンジのショートケーキ。秋はマロンがころんと乗っていました。この栗も、ロマンスを感じる優しさです。
その姿を愛で、そっとキスをして、溜息を飲み込むように口の中へ入れると、味覚を感じるよりも早く強く、優しさが広がっていくのです。溶けてゆき、姿を失ってなお、強く感じる存在感と多幸感。とても不思議な感覚です。
美味しいお菓子に出会った時の、その不思議な感覚を文章で表そうとblogを始めたのに、言葉が感動に追いつきませんでした。
ただ、ただ愛しさだけが募るのです。


東京
Kaori Hironé カオリヒロネ

20091109

薔薇の名前


優しさにつつまれて見る夢は、うっとりと。僕は、陽の光の中で微笑む薔薇の幻を見た。やわらかに咲き、天上の詩と音楽を思い出させてくれる薄紅色の薔薇。取り戻すことの叶わぬイノセンスと背中の翼にかわり、こんなにも素晴らしい歌が、ここに咲いていた。


東京
Kaori Hironé カオリヒロネ

空の名前

無の中に有を感じて、捕らえ所の無い空間に、天へと繋がるソラと名付けた。
見えないものを感じる心。それが僕には大切なんだ。
時には、降り注ぐ音楽の様に。時には、風に揺れる木漏れ日の様に。花や星の夢幻を見ることもあれば、時を越えて感じる風景や、未だ辿り着けない光景を見ることもある。そうそう、君の声や笑顔を思い出すこともね。
この空の下で遊ぶ時、僕らが見上げた空の色は、はたして同じなのだろうか?
たとえ異なる色であったとしても、きっと何処かで繋がっていると思うんだ僕は。


まだまだ京都で好きなお店を紹介しきれておりませんが、ちょっと先週は東京におりましたので、その話しを少し。
どうしても今、言葉にしておきたい店に出会ってしまったのです。

20091108

三日月革命


人が綴る恋文のように、何層にも折り込まれた繊細な生地は、甘く魅惑的な香りをたたえて微笑む。夜の闇より深いエスプレッソでも、朝露の煌めきのようなシャンパンでも、この夢を消せはしない。
夢想と色香を織り込んで、革命を起こす三日月よ。
それは貴女をパリジェンヌに、貴男をパリジャンに仕立てる魔法のように。


京都
Le Petit Mec ル・プチメック
http://www.le-petitmec.co.jp/

20091107

時の色香


夢二が通った甘味処として有名で、
甘党の 素通り出来ぬ 二寧坂
などと言われる店でもある。変わらぬ風情に、大切な想いや歴史を感じ、壁にかけられた絵や柱時計を眺めていると、甘党だけでは無く、時すらも素通り出来ない店なのだと知る。
ただ流れ去るのみの時が、優しい人々の想いと重なったとき、こんなにもゆっくりとした寛ぎの場所を作り出してくれるのだと、お茶をいただきながら思った。

いつもの三色萩乃餅を。
ほろほろと、くずれ落ちるほど柔らかな粒餡。上品に、淑やかに佇む穏やかなこし餡。ふわりと懐かしさを感じ、温かい気持ちになるきな粉。
ほっこり、はんなり、まったりが、皿の上でしっとりと香り立ち、もう少しだけ此処に座っていたいと思わせるのです。


京都
かさぎ屋 かさぎや
http://2nenzaka.ne.jp/view.php?id=kasagiya

20091106

膝の上のネコ

ほっと一息。ふっとこぼれる笑顔。あたたかい気持ちになる、ほっこり町家の紅茶館。気楽にのんびりと、この穏やかな時間を楽しもう。
カウンターに並べられた茶筒をのぞきこみ、その日の気分で紅茶を選ぶ楽しさは、微睡むネコの眼差しに似ている。
ほら、ティーポッドがネコに見えないかな?


京都
卯晴 うはる
http://www.uharu.com/

20091105

それぞれの月

清らかな心で、より美味しいお茶を楽しむために、世俗にまみれた僕たちにこそ、お茶と清談は必要だと思うの。
ふと立ち止まり、空を見上げて日々を振り返り、それぞれの街角について、澄んだ心でただ話す。苦くもあり、甘くもあるお茶。滋味と芳香は、こころ穏やかで居るために。
お茶には心の美しさが表れると感じるので、それは月に似ていると僕は思った。
茶道とか、煎茶道とか、難しいことは後にしてさ、好みのお茶に出会う喜びと楽しさを、体験してもらいたいなぁ。


京都
一保堂茶舗 いっぽどう
http://www.ippodo-tea.co.jp/

20091104

Happy end of the world


朝日に煌めく蓮の露。きらきらと、ころころと。
闇より出でて清らかに、光の中で開くロータスよ。その花に、その葉の上に座する神々は、朝に生まれ夜に死せるも、翌朝また再生するという。
静に手を合わせ、世界の終りと始まりの歌を、そっと飲み干すように。


京都
和久傳 わくでん
http://www.wakuden.jp/

20091103

静けさの中に


間とよばれるもの。そこで日常的にくりかえすリズム。それはごく自然にあるものを、ほいっと目の前に見せてくれる。
そうそう、あるよね。あったよね。
不思議なリズムはくるくると回り、心をころころと転がせる。そうそう、あのさ…

背筋を伸ばすのは、素直である為に。素直になるのは、自然でいる為に。
心を澄ませ、耳を澄ませ、リズムを感じて。
そうそう、
ここはそんな場所なんだ。


京都
SOU・SOU そうそう
http://www.sousou.co.jp/

20091102

地と風と


夜明けは遠く、暗闇に目を凝らせば、漆黒に浮かび上がる山嶺を見つけた。
幽玄なる闇の中で、空を仰ぎて深呼吸をする。
刹那、見えずとも感じる雄大なる緑。木々を抜け、草原と丘を駆け、木の葉と共に舞う風を、私は自身の吐息の中に感じた。
静寂の中、遠く彼方に朝の黎明を感じて。


京都
福寿園 ふくじゅえん
http://www.fukujuen-kyotohonten.com/

20091101

いとをかし


華やぐもの。艶やかなるもの。野に佇むもの。風に揺れて歌うもの。望みは花の中にある。答えは己の心の内にある。
然の一文字をもって、菓を花と例えるならば、美味しさとは美しさであろうか。ならば、私はただ愛でたいと思う。その花を、その菓子を、その姿を。

然花抄院の、然カステラ。しっとりとふんわりの間にある半熟さで、なかなか面白く味わい深いカステラです。
私もまだまだ通い慣れておりませんので、じっくりとその姿を感じていきたいと思います。


京都
然花抄院 ぜんかしょういん
http://www.zen-kashoin.com/

きっと君は知らない

京都には美味しい洋菓子もあることを、君は知らない。
(かも知れない)
京都の和菓子やお茶のシンプルな楽しみ方を、君は知らない。
(かも知れない)
京都らしいお店が何なのか、たぶん君は知らない。そして僕も。
(かも知れない)
だから並べてみたの。君が京都を訪ねる為の、キッカケとして。僕が京都を考える為の、キッカケとして。
僕は君を知らないけれど、君も僕を知らないけれど、君が京都を好きになってくれたら嬉しいな。
(それは本当に)
だからおいでよ。京都という、狭くも美しい都へさ。