20100630

酒と薔薇の日々


天使に聞いてみたいことがある。今でもあなたは、神を愛しているのかと。
その答えはきっとYesで、神様も知っていることなんだ。
だってその感情は、僕ら人間にとっては身近すぎるものだから。

アレキサンダー


京都
Bar Rosebank ローズバンク
http://www.bar-rosebank.jp/


お酒を飲めない私が、この店を好きだった理由。それはこのカクテルがあったから。何度も訪れた理由は、薔薇の花びらが浮かぶカウンターの向こうに、京都一優しい男と、笑顔の素敵な彼女が立っていたから。
6月30日、閉店。
次から私は、何処で溺れたら良いのだろうか?
サヨナラのかわりに、好きなカクテルを1杯だけ…。

氷の節句


無月は氷室の氷を表したもので、無病息災を祈る夏越祓(なごしのはらえ)にいただく和菓子です。
元々は、暑気払いのために貴族が氷を食べる行事があり、庶民がそれを模したものです。小豆の粒餡と外郎(聚洸さんの水無月は本葛のみでした)はお腹にも優しく、弱った胃腸を整える意味もあったようです。
バリエーションとして、抹茶や山椒を加えた物もあり、食べ比べてみるのも楽しいですね。

蒸し暑い日々が続いておりますが、くれぐれも御自愛ください。

水無月(みなづき)


京都
聚洸 じゅこう

想い出のフローラ


の宿りし花の四葩がひらひらと、茜さす夢幻に舞い遊ぶ。想い出に咲く花は胡蝶の群れ。遠き静寂を越えて、君へと届くよ。
淡き想いは微睡みの中で、風に夢を綴っていった。届かなかった、君への恋文のかわりに。

七変化(しちへんげ)


京都
聚洸 じゅこう

夢にたゆたう


光り、虹が走る。踊る雨粒は軽やかに、青空の頬笑みに煌めいた。
耳を澄ませば妖精達の、楽しい歌声が木霊する。彼女達はカンパニュラの鈴を鳴らし、夏風に遊んでいた。
木陰で見る夢は鮮やかで、僕は何度も微笑んでいたらしい。でもそれは、たぶん君も同じだったはずだよ?

ブルーベリーのレアチーズケーキと白ワイン


京都
twifull トゥワイフル
http://blog.goo.ne.jp/twifull

20100629

ひそか


を濡らす涙雨。淡く灯る紫陽花は、ひと雨ごとに甘さを増して、薫るほどに想いは匂う。
朝、目覚めた睫毛の先に煌めくもの。遠く離れてしまった君よ、昨夜夢見たものを、覚えているかい?
月の窓から僕は祈ろう。君に届くようにと願い、夢の続きを雨に託そう。

朝のつゆ


京都
嘯月 しょうげつ

Seseragi Sfera せせらぎすへら
http://www.ricordi-sfera.com/

20100628

Liebesträume


を閉じて恍惚と、高鳴る胸は音楽を奏でる。僕の心に咲く花の名前を教えてくれたのは、君が初めてだったから。
愛の夢。静かに流れる音楽に、身を委ねよう。あぁ、君が喜んでくれるだけで良い。幸せは、あとから2人で探せば良いさ。

Joie(ショア)


京都
PÂTISSERIE . S パティスリー・エス
http://patisserie-s.com/
Liebestraum No.3 / Franz Liszt

Nocturne Op.9, No.2


想曲が流れた。夜に、夢に、2人の愛に。静かに高鳴る胸の鼓動と、やがて訪れる至福の予感。切り取られた永遠を表す満月が、闇の彼方に浮かんでいた。
夜空に祈りを捧げる君の、瞳に輝く流星にそっと、僕は終わらぬ愛を誓った。

Joie(ショア)


京都
PÂTISSERIE . S パティスリー・エス
http://patisserie-s.com/
Nocturne Op.9, No.2 / Frédéric François Chopin

20100627

月の匂い


さす窓辺に、月の気配が満ちていく。心は鎮まり、ただ暮れゆく時間を眺めていた。
闇の足音を感じながら、夢の帳が降りるのを、独り静かに待つ。
…夜の始まり。何かが心の中で目覚めるような、そんな予感。
たった一夜だけの、満たされた永遠。満月から溢れた光が、僕らの街へと降りそそぐ。
ふと視線を上げると、窓の向こうに月の海が見えた。

ラムムン


京都
Le Sucrier ル・シュクリエ
http://lesucrier.web.fc2.com/

20100626

春の夢幻


のときめきをひとつ。ふわりと咲いた恋心は、そよ風に遊ぶ胡蝶。しっとりと薫るのは、名も知らぬ白い花のように。
横たわる永遠を眺めながら僕は、このケーキにはリカールが似合うのかなと想像していた。
その可愛さはまるで、夢の世界を案内してくれる、あの白兎に似ていた。

苺のショートケーキ


京都
Café Bastille カフェ・バスティーユ
http://www.bastille.jp/cafe/cafebastille.html

20100625

童話の泉に夢の咲く


色に輝く水面に、水鳥が遊んでいた。陽光に煌めく夢は眩しくて、春の幻景は陽炎にゆれている。…夢。そう、夢なのだこれは。
甘い香りのその先に、小さな島を見つけた。島一面に咲く大きな花は、誰の初恋だろうか?
童話のような小さな物語りを想像しつつ、気づけば僕は、水面に浮かぶ水鳥に変身していた。

イチゴのタルト


京都
喫茶feカフェっさ キッサフェかふぇっさ

白い夜


る世界にはらはらと、白い夢が降り積もる。淡雪よりも繊細で、ふれると甘く溶ける優しさは、儚き恋心のような詩片。
淡い吐息のその先に、僕は君の面影を探していた。

いちごショートケーキ


京都
twifull トゥワイフル
http://blog.goo.ne.jp/twifull

20100624

真夜中のサーカス


L

a commedia è finita.
喜劇はこれでお終いです。お馴染みの口上と共に幕は降りる。観客が知ることが出来るのは、此処まで。でもね、まだ続きがあるんだ。月光に踊る道化師は、闇夢の中で虹のライトを浴びる。
さぁ、はじめよう。真夜中に降りそそぐ、星の陽炎の中、悪夢を光で埋め尽くせ。

Arlequin(アルルカン)


大阪
Pâtisserie quai montebello ケ・モンテベロ
http://www.quaimontebello.com/

夜の帳が降りて


の裏の幕が上がり、夢のオペラが開演された。うっとりとするほどの恍惚と、静かな胸騒ぎ。
長い夜の始まりに似て、静かな音楽のような口当たりは穏やかに、ゆっくりと心を浸食していく。そして頬笑みの後に至る、陶酔のアロマ。
物語は夜に創られる。星空に降る、貴方の夢の中で。

Opera(オペラ)


大阪
Pâtisserie quai montebello ケ・モンテベロ
http://www.quaimontebello.com/

20100623

Kyrie


の船に乗り、沈黙の海を行く。永遠は闇に沈み、憐れみが蒼い星となって輝いていた。ここより遠い何処かへ、愛よりも深く遠い世界の果てへ、我を誘い賜え。
大天使ガブリエルの翼をもって、白い船が行く。彷徨い続ける悲しさを救う為に、あなたの頬笑みを探して。

Evasion(エヴァズィオン)


京都
pâtisserie Tendresse タンドレス
http://kyotocake.com/

20100622

Ave Maria


る太陽の輝きを、夜の星空に想う。見上げた月の優しさに、聖母マリアの慈愛を感じ、遠く地の果ての果てに輝く王子を想像しては、厳かに祝福の歌を捧げた。
全ての色の瞳に映るのは、夢に微睡む太陽王。出逢えた瞬間にアヴェマリアが聴こえたのは幻聴では無く、これが聖母に抱かれた御子であったからだと、我々は祈りの中で理解した。

Roi-Soleil(ルワ・ソレイユ)


京都
pâtisserie Tendresse タンドレス
http://kyotocake.com/

20100621

祈りを


く深く深く、闇よりも暗い淵を覗き込み、赦しを探す。遠く遠く遠く、果てなど知り得ぬ星空を見上げ、罪の欠片を求める。
何も見つからないことを知りながら、人は悩み続ける。だからこそ、戯れのようなひと時を求め、それを癒しと呼ぶのだろう。
大切なものが見えなくなったとき、僕は目を閉じる。そうするとやがて、心の眼が静かに開く。
その時に薫る祈りの光に、この珈琲は似ていたような気がする。たぶん、きっと…。

珈琲


京都
遊形 サロン・ド・テ ゆうけいさろんどて

Vespertin


後の祈りを夕闇に。最後の食事を宵闇に。暮れていく太陽に別れを告げるように、愛した店の最後の日に、別れの食事を。サヨナラのかわりに、香り豊かな紅茶と共に。
明日の太陽は昇っても、もうこの場所は無いという真実が、夢だと思えるようなショコラのケーキも1つ。
金色に輝く不死者の王は、静かな笑い声を残して闇へと消えた。ただ、その切ない香りだけを残して。

ハイティーセット


京都
MELANGE De SHUHARI メランジュ・ドゥ・シュハリ
http://www.shuhari-de-eat.com/

※2010/6/13 藤井大丸店CLOSE

20100620

Sugary


の咲くような甘さは、君の笑顔と僕のよろこびで、2人で飲む紅茶は、散歩するように、どこか外国を旅行するような時間をプレゼントしてくれる。1杯のカップの中に、永遠を感じさせてくれるんだ。
それが夢だとしても、良いじゃないか。ほら、もう1杯。紅茶に花を咲かせよう。


京都
Magasin Des Fraises マガザン・デ・フレーズ
http://ichigonoomise.com/
Le salon sélectionné ル・サロン・セレクショネ
http://blog.ichigonoomise.com/?eid=1276731

※店内での写真撮影了承済みです

幸せの時間


を見る束の間に、オーブンで焼き上がるフリアン。ふわりと鼻をくすぐる甘い香りは、夢の続きを見るにはちょうど良い。
カリッ、さくり、ふんわりと、心に広がり溶けていく幸せは、紅茶をも華やいで、豊かな午後のひと時をプレゼントしてくれた。

焼き菓子セット(フリアン&ピーチとアプリコットの紅茶)


京都
Magasin Des Fraises マガザン・デ・フレーズ
http://ichigonoomise.com/
Le salon sélectionné ル・サロン・セレクショネ
http://blog.ichigonoomise.com/?eid=1276731

※店内での写真撮影了承済みです

20100619

花は散れども夢に咲き


神の唇を思わせる深緋色は、まるで宝石のような輝き。想いの深さによって煌めきも変化するような気がして、うっとりと眺めていた。
やがて、魅力に抗えず、空想に薫る色香に引寄せられて、そっと口をつける。刹那、鮮やかに広がっていく恋の風景は、ただただ愛しかった。
銀の一匙の長い旅の果てに、深く甘いため息をひとつ。その中に、春に咲く幻想を見つけた。

フレジェ


京都
Magasin Des Fraises マガザン・デ・フレーズ
http://ichigonoomise.com/
Le salon sélectionné ル・サロン・セレクショネ
http://blog.ichigonoomise.com/?eid=1276731

※店内での写真撮影了承済みです

20100618

SWEET VICTIM


麗なリボンを選び、かわいい服を着るように、ここのお菓子を求めて欲しいの。愛でも恋でも憧れでも良いわ。大好きだけを、選んで欲しいの。

…ねぇ、愛は盲目と言うけれど、アナタにはちゃんと見えているでしょう? もちろん、私にも見えているわ。
深い海に溺れそうなら、私はアナタの人魚になるわ。雲よりも高く浮かれるというのなら、私は天使にだってなれるの。だからもっと愛して。アナタの瞳に映る、私の全てをもっと。

マカロン・フェティッシュ(春)


京都
Magasin Des Fraises マガザン・デ・フレーズ
http://ichigonoomise.com/
Le salon sélectionné ル・サロン・セレクショネ
http://blog.ichigonoomise.com/?eid=1276731

※店内での写真撮影了承済みです

20100617

Péchés Mignons


ぇお願い。もっと色々遊びたいの。もっと色々と選びたいの。
ワガママを言わせてよ。素直になるからさ。
だからお願い。もっと私を楽しませてよ。
大人しくなんて、してられないわ。

移り気な乙女の日記帳のような、華やかなミルフイユ。重ねた想いは気まぐれに、君は僕を振り回す。でもそれが、魅力的なんだよね。

いちごミルフィーユ


京都
Magasin Des Fraises マガザン・デ・フレーズ
http://ichigonoomise.com/
Le salon sélectionné ル・サロン・セレクショネ
http://blog.ichigonoomise.com/?eid=1276731

※店内での写真撮影了承済みです

20100616

夢の国の入口


の中で口にした、美味しい記憶。楽しかった想い出。目覚めた時に消えたとしても、それは幻なんかじゃないんだよ。
だって、ほら、ここにあるじゃない。あの味と、あの物語は、本当にあったコトなんだ。だから噛み締めてごらんよ。夢の続きと、今日の続きの美味しさを。


京都
http://perkeo.vpweb.jp/

20100615

もっと聴かせてよ僕に


り足りないからもっと、君と一緒に居たいんだ。ほら、美味しい珈琲とお菓子は用意したからさ、君の話しを聞かせてよ僕に。
時に蝶が舞うような羽ばたきが聞こえ、時に花が風に散るような光景が浮かぶ、君の声と笑顔をもっと、楽しんでいたいんだボクは。

コンベルサシオン


大阪
café Weg カフェヴェーク
http://www.cafe-weg.com/

20100614

レトロメモリー


としたキッカケで、キミの想い出がボクの懐かしさとリンクしたならそれは、幸せへと繋がると思うんだ。
未来のノスタルジーを描いた本が、このテーブルにあることを、まだ誰も知らない。窓の向こうからやってくる、明日の太陽以外は誰も。


たっぷりと豆乳を使った、やさしいロールケーキ。白巻きは、練乳の甘さとコクがあるのだけれど、ハッキリと大豆の味を感じられるし、スッキリとした青巻きは、豆乳の香りとともに、綺麗な水の味がしました。
この想いは、この安心感は、どこから来るのだろう? 望郷?郷愁?それよりもっと、楽しい未来?
くるりと巻かれた過去と未来に、日々の穏やかな吐息と笑顔を感じました。

はらロール(青巻き)


神戸
はらドーナッツ はらどーなっつ
http://haradonuts.jp/
はらロール はらろーる
http://hararoll.jp/
カフェ豆茶 まめちゃ
http://haradonuts.jp/shoplist/mamecha/

http://www.youtube.com/watch?v=eMtSet5UTOE
http://www.capsule-web.com/

20100613

虹を探して


り続く雨に憂鬱になり、太陽を忘れそうになった時は、この席に座ってみて。通りの見える、窓際の席の右端に。
レトロに輝くスタンドの明かりを点けて、いつものシュークリームと、季節のフレーバーが楽しい、温かい紅茶と共に。
…ほら、雲間から光が射して、君の心を照らすように、この優しい甘さがきっと、元気づけてくれると思うんだ僕は。

シュー・ア・ラ・クレーム・オ・シトロン


京都
Citron Sucré シトロン・シュクレ
http://speem.com/citron/

20100612

窓辺のファンタジア


い夢にだけあらわれる、ふんわりおばけちゃん。チョコレートがだいすきで、しろいまくらもだいすきだから、ねるまえのハミガキをわすれてしまった、子どもの夢に出てくるんだ。
…え?かわいいおばけなら会ってみたいって?だからハミガキしないの?
困ったな。これからムシ歯の話しが始まるのだけれど、聞く気なんて全然無いよね?

おばけちゃん


京都
Clover クローバー

love letter


字が伝えてくれるものは意味であり本質。つまりそれは心だと思うんだ。手書き文字には特に、それを書いた人の心が表れると思わないかい?
手作りの食べ物が、味以外の気持ち_温かさであったり、優しさであったり_を伝えてくれるのだから、そこに添えられた文字にも、同じ想いを感じられると思うんだ。ほら、ごらんよ。ここに優しさのカタチがあるだろう?
そう、それはまるで、小春日和の暖かさや、ラブレターのような温もりをもって、ぼくの心に届いたんだ。

あまぐりのフランスパン


京都
Clover クローバー

I pick flowers


を摘むように、今日のパンを選ぶ。ふと目にした小さな花を、摘むように。名も知らぬ白い花や、あの人が好きな黄色の花を、摘むように。
ここには毎朝のよろこびが咲いているから、今日の花を摘むように、美味しいパンを買いに訪れる。
指先から伝わるやさしさと、食べた人を笑顔にするこの店のパンは、野に咲く小さな花のように思えた。


京都
Clover クローバー

20100611

ジャスミンの夜


昏色を残した初夏の夜風が、窓辺で眠る君の頬をくすぐる。夢に聴こえる琥珀色の夜想曲は、香りに咲く小さな花を、深く透明な夜空の星に変えてくれた。
寝ぼけた君が、シルクのシーツに描いた曲線は、二人の願いを叶えてくれる銀色の流星になったよ。

シノワ


京都
Patisserie petitjaponais プチジャポネ
http://plus5.jp/pj/

20100610

青い星を眺める浮遊


しくも、白刃のように細い月を見上げていたら、吸い込まれるように夜空へと飛翔した。
白い雲と甘い夢を抜けて舞い上がり、月天の城へと辿り着く。そこから見える、青い星。その深い慈愛と透明な青。そして静寂
深淵から地球を覗き込むような夢遊の中で私は、柔らかな月影を眺めていた。今宵の月に魅せられる理由はきっと、暗闇に浮かぶ月が、瞳を閉じて微笑む君の、睫毛の煌めきに似ているからだろう。

ボンベイ・サファイヤ


京都
ghost ゴースト

http://www.bombaysapphire.com/

20100609

La fille aux cheveux de lin


田に写る青空には白い雲が流れ、ふわりと夏めくそよ風は、優しく早苗を揺らす。そこには、長閑な時間が横たわっていた。緑に降りそそぐ幻の中を、少女が駆けて行く。
穏やかに、和やかに。麗らかな情景の中、ぼくらは美しい国に住んでいる。

 風に歌う早乙女の
  青空に瑞穂を踊らせて

水無月 “早苗(さなえ)”


京都
SOU・SOU そうそう
http://www.sousou.co.jp/

20100608

面影


咲く幻想の、瞼の裏に君を想えば。
短い雨は通りすぎ、駆け出した草原に夏風が薫る。濡れるほどに鮮やかに咲く菫。花弁の上ではじけた最後の一雫は、刹那の虹を夢に描いた。

 棚引く雲の黄昏に
    きみ想う一夜草

日本人の私にとってのラベンダーの香りは、和歌に詠まれた菫の匂いに近い気がした。

タルト・ミルティーユ・オ・ラバンド


大阪
Pâtisserie quai montebello ケ・モンテベロ
http://www.quaimontebello.com/

20100607

恋い焦がれて


れる太陽の泉。古城の庭で、祈りを捧げる貴婦人の声は、金色に輝く木漏れ日のように。
恍惚と幻惑。反射する季節の彩り。とけていく黄金は曖昧な頬笑みであり、同時にそれは、未来に咲く悦びであった。

タルト・オランジュ


京都
SALON DE THE AU GRENIER D'OR オ・グルニエ・ドール

20100606

月露うける想い花


に佇む淡い色彩は、仄かな色気を感じさせる。その雰囲気に足を止め、見えない視線が交わった刹那、世界は静止した。浮遊する雨粒はキラリと輝いたまま、黄昏に、たまゆらの星へと転生した。

 濡れるたびに美しく
  黄昏の花影に灯る蛍光は 乙女の想いにも似て

人知れず移りゆくグラデーションは、淑やかに。秘めたる花は、夜にもえて。


京都
福寿園 ふくじゅえん
http://www.fukujuen-kyotohonten.com/

20100605

Luminescence


にしか咲かぬ花の薫り。星影に舞う蝶の隣粉。すれ違った、名も知らぬ美女。
闇と影の境界線すら分からぬ森の、木々の下に眠る記憶。暗闇に想い出が足跡を記し、独りで飲む酒がそれを、仄かに光らせた。

クレーム・ド・グリオット No.1 & ラガヴーリン16年


京都
ghost ゴースト

20100604

ため息ひとつ


さす窓辺にて、静かな夢を眺めていた。君という幻の、甘く忘れえぬ面影を。
つい数時間前のことなのに、まるで去年の出来事のような、まだ唇の感触は残っているのに君は、遥か彼方に去ってしまったかのようで、それはまるで、青空に浮かぶ朧な白い月の様だった。
時間と距離をもどかしく思うほどに僕は、出会ったばかりの君を、愛しいと思い始めている。

 窓辺に青葉の影落とす
    黄昏は夏の想い人

夏蜜柑とマンゴーのパフェ


京都
OKU おく
http://www.oku-style.com/

20100603

the Last Flowers


後の花。私が愛した世界に咲く、美しき星。
世界の終りに、それでも幸せだったと思えるほどの、麗しき花をサヨナラのかわりに。

最後にいただいたのは、静かなるディタ。思えば、最初にいただいたものの1つも、ディタであった。
オリエンタルな幻想のライチと、その陰に咲く薔薇が二輪。1つは可憐に、1つは妖艶に。
絡みつく茨の棘は心臓に優しく刺さり、私の血で薔薇は真紅に染まっていく。…あぁ、まだ私の血は赤かったのだと確認し、そして夢へと堕ちていく。愛しき世界の終りへと。

ディタ No.1 & MASSENEZ VODKA A LA ROSE


京都
ghost ゴースト



Happy end of the World.
... & Next.
Traveling ghost in GION.

寺町のghostはクローズし、6/9 (wed)にgion ghostがオープンします。次はどんな夢を見せてくれるのか、今から楽しみでなりません。
願わくば再び、血に花の咲く悦びを。

20100602

夏の輪郭


れる光り。風は薫り、風景は夏の金色で埋め尽くされていく。
それはまるで、クロード・モネの、日傘をさす女性のように。
煌めく風に、徐々に失われていく輪郭が、より強く優しく香りだす。光の中に佇む君に目眩を覚えながら、太陽よりも強い愛しさに抱かれた。

レモンのタルト


京都
Patisserie petitjaponais プチジャポネ
http://plus5.jp/pj/

Claude Monet
Femme à l'ombrelle
Essai de figure en plein air (vers la droite)

20100601

君影草


やかな鐘の音が、葉隠れにゆれていた。清浄なる神秘。朝露に煌めく七色は、忘れていた恋の残り香のように、まどろみに淡くにじんでいく。
白い小鈴は玉響に、微笑む君の夢を見させてくれた。

美優夏(みゆげ)


京都
虎屋 とらや
http://www.toraya-group.co.jp/