20100101

花酔いの月


めく黄金の夢幻に目醒めれば、霞むれど鮮やかに。柔らかな唇は、頬笑みをたたえて耳元で囁く。
艶と微睡みに包まれた空蝉は、黎明と幽玄に溶けていく。朧な夜の指先が、儚い魂の輪郭をなぞる。
あぁ、それはまるで、 あの人の残り香のように。闇に舞う花が、静かに歌うよ。
はじまりの闇に佇む満月は、頬を紅く染め。

ゴースト No.1


京都
ghost ゴースト