20100131

風のプリマ


りが溢れた。
白いステージの上で、憂うこと無き黄昏に、芳醇なる秋の想い出が咲いた。
あぁ、木枯らしの旋律はロンド。旋回する風と光の中で、解き放れた林檎は歌うよ。天の星々よりも輝く、誰よりも幸せな夢を。

紅玉リンゴのさくさくパイ


京都
OKU おく
http://www.oku-style.com/

20100130

花のように生きる


玄なる池には、モネが夢見た睡蓮が咲く。
暗闇から月光の元へと伸び、世界に花咲く睡蓮。その美しさ、その清らかさに涙した。
深淵の緑に見た、鮮烈なるルージュ。それは、悟りなのか。それとも欲であろうか?
夜霧に眠り、朝霞に目覚め、虚空に虹を探す。
幻想の水面を滑る双子の月は、我が未熟さを笑う。
瞑想の果てに終焉を。その先に朝を感じて。

コンフィアンス


大阪
Pâtisserie quai montebello ケ・モンテベロ
http://www.quaimontebello.com/

20100129

イチゴの森でつかまえて


の中、2人で駆け出した世界の果てに、素敵な居場所を見つけたんだ。ここが僕たちの場所。いつまでも甘く、いつまでも君を愛している。
目を開けても、覚めない夢を貴女に。

Let me take you down 'cause I'm going to Strawberry Fields.

幻じゃないよと囁きながら、そっと君を抱きしめた。


京都
SALON DE THE AU GRENIER D'OR オ・グルニエ・ドール

20100128

夜の抱擁


の綺麗な夜に、黒衣の天女が舞い降りた。穏やかな眼差しに吸い込まれるように唇を重ね、フワリと香る月光の欠片には、微かな太陽の残り香を感じた。
あぁ、魅惑的なパフューム。溶けていく永遠。星の言葉を解さない僕には、君の声は直接心に煌めくよ。
その瞳に、その色香に、闇へ落ちるように抱かれて。

カレ・ショコラ・アンタッセ


大阪
Pâtisserie quai montebello ケ・モンテベロ
http://www.quaimontebello.com/

20100127

未来の追憶


漏れ日の中で、しっかりと焼き込まれたタルトを味わいながら、甘い記憶の中を散歩する。
美しく焼き込まれたタルトはリズミカルに、ふっくらと香るクリームは陽光のように、そしてシナモンが、夏の風を思い出させてくれた。
何よりも、バナナの中に眠る夏の幻が、冬の窓辺に満ちていた。

タルト・バナーヌ


京都
AU TEMPS PERDU オ・タン・ペルデュ
http://www.bellecour.co.jp/

20100126

月が綺麗ですね

リンを好きな人、特に男性の場合には、子供の頃の美味しい想い出があるそうだ。その愛しさはタマゴの優しさに通じ、カラメルの甘さが物語を思い出させてくれるらしい。家族と家庭の味であり、幼き日の記憶に残る味。
あぁ、だから未だに子供っぽいのねと君は笑うけれど、本当の話しなんだよ?

カフェラテ・プリン


京都
GLOBE MOUNTAIN COFFEE グローブマウンテンコーヒー
http://globe-mountain-coffee.com/

20100125

月影にゆれ

ち合わせの時間より早く着いてしまい、1人カフェの椅子に腰掛けて、窓の外を眺めていた。
季節はワルツを踊りながら、黄昏の向こう側へとダンスを続けている。
秋色に舞う、さやかなる風は、二人の掌の温もりを思い出させてくれる。心の温かさで溶けていく記憶を、想い出と呼ぶのだろう。
ふと感じた視線の先に君を見つけ、僕はひらひらと手を振った。

ノワイエ


京都
PÂTISSERIE . S パティスリー・エス
http://patisserie-s.com/

20100124

森を抜けて

下深くに眠る森の中、1杯のコーヒーに、光り輝く風景を夢想する。
例えば、ホソイ・ブレンド。ふくよかな香りは、大地の豊穣を感じさせ、土の温もりと草木の息吹を伝えてくれる。甘さ、コク、なによりも優しいアロマに、心が温かくなっていく。
対して、モール・ブレンドは、酸味が太陽へと繋がっていく。清らかな水に似た口当たりは、清流に溶ける森の恵み。ふと見上げれば、なだらかな丘、深い森、揺れる木漏れ日のカーテン…。川の流れと、眩しい光が見えた。
モグラが、暗い地下の世界しか知らないなんて、それは嘘だよ。

コーヒー豆を挽く瞬間から溢れる芳香に、背筋が伸びた。暗闇にさす、一条の光を見た時のように。


大阪
Mole hosoi coffee モール・ホソイ・コーヒー

20100123

風に誘われて

覚を越えて届くイメージ。春の麗らかな空や、花々が咲いていくメロディー。風景の中に溶け込んだ時、夢の中で出会ったのは、とても日本的な歌。

久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ
                    〜 紀​友​則

春を微睡むには、こんなケーキが相応しいと、君の笑顔を眺めながら思った。

フレジェ


福岡
Patisserie Glacier A7 アセット

20100122

sweet on sweets


は様々なものを求める。
例えば、パティスリやカフェに対しても、異なるものを求めている。
ある人は場所を。ある人は時間を。
味が目当てであっても、目的は様々。甘さだけでは無い。
癒しでも、ご褒美でも、吐いた毒の代わりに詰め込むためでも、涙を流す代わりであっても良い。
同じ場所で同じものを目の前にして、それを同時に口にしたとしても、同じものを得るとは限らない。
でも良いんだ。それで良いんだ。
あなたの笑顔のために。
あなたが信じたケーキ達は、きっと幸福へと導いてくれるから。

ねぇ、ほら、ご覧よ。
輝く苺が、微笑むハートに見えないかい?

苺のショートケーキ


京都
Citron Sucré シトロン・シュクレ
http://speem.com/citron/

りんごのうた

象風景の丘に立つ、1本の林檎の樹が風に囁いた詩。
あるいは僕の、季節への追憶が見せてくれた幻だったかもしれない。

愛らしい林檎の花が散った後、小さな青い果実が風に揺れていた。それは夏の太陽に恋い焦がれるように赤く染まり、季節も色を濃くしていった。
やがて秋が来て、想い出の詰まった果実は落ち、宝石となった。過ぎ去りし日々は甘く懐かしく、優しさが薫る。
冬の街は、光も風も、ずいぶんと冷たくなったけれど、想い出だけはまだ、心を温かくしてくれる。

そよかぜに、瞳を閉じる。もし、林檎を罪の果実と呼ぶならそれは、瞼に鮮やかな光景を蘇らせてくれるからなのだろう。

ポミエ


京都
PÂTISSERIE . S パティスリー・エス
http://patisserie-s.com/

20100121

Fantaisie

年は、秘密の呪文を唱えるように、光り輝くマカロンを口に入れた。すると、オレンジがはじけて金色の風が吹き、気が付くと彼は童話の世界へと舞い降りていた。
チョコレートに満たされた、小さな村で、小さな恋の物語が始まる。
ほら、君も、目を閉じて追いかけてごらんよ。

ヴィル・ド・ショコラ


岐阜
chez Shibata シェ・シバタ
http://www.chez-shibata.com/

20100120

L'Île de la Vanille


の一皿に、南の果てにある島を思い描いた。ぼくらが流れ着く先にあるものが、楽園であることを祈って。

太陽のカケラ輝いて
夏風かおるヴァニラ島
爽やかな光は風に揺れ
水平線の女神に手を振っていた
ふわりと舞い降りた夏の夢は
眩しくも優しく降り注ぐ

僕はまた、君を好きになっていく。

ファーブルトン


京都
Citron Sucré シトロン・シュクレ
http://speem.com/citron/

20100119

アンニュイな夜


に会うわけでもないのに、1度も使っていなかったルージュをつけてみた。
鏡の前で、誰かの為ではない笑顔を、ぎこちなく作ってみた。
内容なんて憶えていない小説を手に取って、3回目の物語をなぞってみた。
誰にも会いたくないと思った1日が、何ごとも無くぼんやりとすぎていった。
夜の窓を、静かに優しく、雨が撫でていた。

猫のあくびのような、アンニュイな日に。

メランコリック


京都
PÂTISSERIE . S パティスリー・エス
http://patisserie-s.com/

20100118

宇宙の薔薇


の中に光る言葉をつかまえて、白いノートに綴ってみた。
音楽に変わって逃げていかないように、水色のインクで。

生まれるもの
渦巻くもの
羽ばたくもの
輝けるもの
羽根
花咲く神秘
見上げた夜空の星雲(ネビュラ)

この、甘く輝く薔薇の不思議。

シュークリーム


京都
Süßes Vegetus ズーセス・ヴェゲトゥス
http://www.sv-baum.com/

20100117

King & Queen


の雪が溶けて、春が芽生えるように、溶けていく口どけの中に、輝く春を見つけた。
ファンタジーのような世界の幻の中で、君だけが全て。
だから王冠を君に。
君の笑顔に、君の優しさに、君への愛しさに、この王冠を。
君が女王なら、僕は王になれる気がしたんだ。

クランツクーヘン


大阪
Caf'e Wiener Rose カフェ・ヴィーナーローゼ
http://wiener.cocotte.jp/

20100116

VENT VERT


那、遠雷に薫り立つ大地。
たまゆらの想いに遥か、風に乗って空を駈ける。
春には清々しく、梅雨は麗しく、夏には颯爽として、秋は慕情を募り、冬には優しく抱きしめてくれる緑風。
心を吹き抜ける薫風を、あなたに感じてもらいたくて。

エクレール・オ・ヴェール


名古屋
pâtisserie AZUR アズュール
http://www.geocities.jp/azur_a_go_go/

20100115

新月の夜


の帳が降りて、闇は艶やかに輝き、星空は彼の国の神話を語り始めた。
古の神々を、在りし日の楽園を、私達が失った、希望という名の光を。
囁くように、歌うように、そして時には無言の頬笑みを織り交ぜつつ、漆黒は私の心を酔わせてくれた。
暗闇に花が咲くように、天の星は生まれる。
その星々を星座という物語に変えるのは、私達の小さな想像力なのだ。
そこに希望が眠っていることを、思い出して欲しい。

アンブロワジー


奈良
GATEAU DES BOIS A LA MAISON ガトー・ド・ボワ
http://www.gateau-des-bois.com/

20100114

STORY OF LIFE


重ねられた想い。綴られていく物語。
日々の、刻々と過ぎ去る時を、大切にしたいから、記憶の本棚に並べていった。
表紙には、何を印そうか。タイトルは、どうしようか。
それはきっと、僕自身が本棚に並ぶまで、決まらないような気がする。
ただ、祈るように、感謝を捧げた。

ページを繰るように、ナイフを縦に入れていく。
綴られた言葉が、パリパリと囁く。
静かに語られる物語にうっとりとしながら、夢中でリズムと香りを追いかけた。
フォークで口へと運び、瞼を閉じると、私は青い月影の中で、溢れる優しさに包まれた。

ミルフイユ


大阪
Pâtisserie quai montebello ケ・モンテベロ
http://www.quaimontebello.com/

20100113

魔法


てもありふれた、ただの魔法。
それを恋と呼んだり、幸せと呼んだりするけれど、実は特別なものでは無くて、身近でありふれたものなんだ。
今日もまた、一皿の上に佇む魔法が、ふわりと微笑む。
コロンところがるマカロンに、
しっとりと、ゆったりと、ふんわりと。香る喜びが、今日に咲いたよ。

ヴァニーユ


京都
Patisserie petitjaponais プチジャポネ
http://plus5.jp/pj/

20100112


れる音楽と、揺れる光の中で、ぼんやりとした記憶を探していた。溶けていくアイスクリームが、ふと、春を囁いた。
クレームシャンティからこぼれた歌は、白い皿の上から青空へと、甘い蝶を解き放った。

 君のいない窓辺に蝶の舞う
   儚き春の 夢のまにまに


ケーキセット(フレジェ)

大阪
salon de the JAMIN サロン・ド・テ ジャマン
http://www.jamin.jp/

20100111

時は静かに流れて


上げた空が幻で、記憶の中の甘い香りが錯覚だったとしても、
貴女への愛しさは、変わらず今も。
太陽の頬笑みを吸い込んだ、夢に浮かぶ雲の様にやさしく。

フロール


京都
GOSPEL ゴスペル

京都
Midi Après-midi ミディ・アプレミディ
http://www.midi-am.com/

20100110

砂漠の薔薇


徨の終りに私は、灼熱の太陽と熱砂の嵐の中に佇む、薔薇の化石と出会った。
砂に埋もれるように咲くその花は、過酷な時と陽射しが結晶化した姿。
この荒野にて、我はなにを願うか。
孤独の果てに、 それでも愛を信じるのか。
崩れゆく砂に埋もれながら、私は最後の夢を見る。
かつての、君を愛した日々の幻を。

シャンティ・キャラメル


京都
Limour リモール
http://www.limour.com/

20100109

春に咲く


精の甘い吐息。春霞に揺れる花々のおしゃべり。微笑む陽射しと、華やぐそよ風。
鈴蘭を鳴らしながら駆けていく君は、たおやかに。
ふわりと鼻をくすぐって、乙女心は春に咲く。

タルト・フランボワーズ


京都
Citron Sucré シトロン・シュクレ
http://speem.com/citron/

20100108

恋する爆弾


いレースの旗を掲げよう。戦争は終わった。すべての爆弾をケーキに代えるんだ。銃を捨てて、ナイフとフォークを手にしよう。
さぁ、お茶会だ。お茶会にしよう。朝に、昼に、夕に、夜に、真夜中に。1日に何度でも!
時計は止めた。永遠に甘い、3時のままで。

ボンブ・レモン・アマンド


京都
GOSPEL ゴスペル

20100107

琥珀色の瞳に


いは、揺れる白いカーテンのように移ろいで。
茜さす窓辺で耽る、物思い。
浅き夢見し、恋の黄昏。
暮れ行く空を眺める瞳は、天の星々よりも輝いて。
今宵はきっと、甘く香る夢を見る。

コーヒーリキュールのサヴァラン


京都
Atelier La Page Blanche アトリエ・ラ・パージュブランシュ
http://www.alpb.jp/

20100106

冬から抜け出して


光の香り。幸福の予感。未来へと抜け出す太陽の、その光り輝く甘さ。テーブルの上で分け合う、未来の想い出。王と女王と、王子と王女の物語。
信じた道に、王冠を。
君はキミの、僕はボクの、それぞれの答えを信じて。

ガレットデロワ


京都
AU TEMPS PERDU オ・タン・ペルデュ
http://www.bellecour.co.jp/

Club de la Galette des Rois クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ
http://www.galettedesrois.org/

20100105

花の魁け


さの中で、ふわりと揺れる花。
まるで其処に春が舞い降りたかのように、仄かな香りが漂う。

 風雪に
 花咲く笑顔は春色の
 歌う香りは冬の寒さを和らげて

やわらかな紅梅を眺めていると、冷たい雪すらも、風に舞う花弁のように見えてくる。
そんな愛しい花を、1枚の絵と和菓子に。

睦月 “寒紅梅”


京都
SOU・SOU そうそう
http://www.sousou.co.jp/

20100104

キリリ


うほどに心地良くなり、夢を見ている如き気分になるならば、酔生夢死も悪くは無い。
酔えない人生に、何の楽しみがあろうか?
夢の最中で死ぬことに、後悔などあるだろうか?
せめて正月くらいは酔わせてくれと、微睡むうちに、時は過ぎ。

大吟醸 酒粕のソルベ


京都
Citron Salé シトロン・サレ
http://speem.com/citron/

20100103

謹賀新年


の中に訪れた春。ひとくち食べては美味しいと言い、またヒトクチ食べては旨いと言う。口へと運ぶたびに出会う喜び。
美しい言葉が溢れるますようにと、美味しいものだけを口にしたい。良き人であるための食を。心を満たしてくれる食だけを。

小さき菓子に祈りを捧げ、花咲くようにときめいて。
春を言祝ぐ美味さかな。

お重プティケーキSET


京都
むしやしない
http://648471.com/

20100102

風に歌えば

さな虎は、大きな夢を持っていた。
茜さす昼に、月影ゆれる夜に、空に向かって歌い続けた。
キミが幸せでありますように。
ただそれだけを、祈りながら。

新年、明けましておめでとうございます。
皆様にとって、より良き年でありますように☆

幸とら


京都
虎屋 とらや
http://www.toraya-group.co.jp/

月に溺れる


夜に部屋を抜け出して、2人で手をつないで散歩した。
流れる川の、煌めく水面を見つめ、あれは月光魚の群れよと呟く君。
そうか、今宵は満月。十六夜の光よ、川を下りて夜の海に満ちよ。細波は大魚となりて、天空の深淵へと帰れ。
魚達は月虹の尾を輝かせ、暗き闇へと跳ねた。

月の芳香に見る夢は、覚めぬ幻のように。
振り返りし我の影に、扉を見つけて飛び込んだ。

愛しき君を残して。

モード09(パッション×ショコラ)


京都
MELANGE De SHUHARI メランジュ・ドゥ・シュハリ
http://www.shuhari-de-eat.com/

20100101

花酔いの月


めく黄金の夢幻に目醒めれば、霞むれど鮮やかに。柔らかな唇は、頬笑みをたたえて耳元で囁く。
艶と微睡みに包まれた空蝉は、黎明と幽玄に溶けていく。朧な夜の指先が、儚い魂の輪郭をなぞる。
あぁ、それはまるで、 あの人の残り香のように。闇に舞う花が、静かに歌うよ。
はじまりの闇に佇む満月は、頬を紅く染め。

ゴースト No.1


京都
ghost ゴースト

一粒七神の福


本の神々は、あらゆる物と場所に宿り、私達と共に暮らし、共に生活し、日々を見守ってくださいます。
たとえば、お米。一粒に七柱の神が乗っていると言われており、食前に手を合わせることは、神に祈りを捧げることに等しいのです。
いただきますと、ごちそうさまの間にあるもの。
美味しい食事には、美しい心が必要だと感じました。

白ごはん


京都
草喰 なかひがし そうじき なかひがし