20091110

風に吹かれて


爽やかな未来を感じさせてくれる風は、透明な光を吸い込んで、鮮やかな緑の野を駆け抜けていく。遥か彼方に伸びのある歌声を聞いた気がして、静かに瞳を閉じてみた。…すると、静寂という音楽の中で、そっと耳元で囁く妖精の声に驚いて、僕は目を開けた。
あぁ、葉先に煌めく露の中に、小さな虹を見つけたよ。僕は優しく吹く風に大きく手を広げ、空を抱きしめたんだ。
そのとき心に訪れたものを、世界は希望と呼ぶんだきっと。


東京
Kaori Hironé カオリヒロネ