20100502

Forest Notes


しい角をもった鹿に導かれるようにして、僕は深い森へと迷い込んだ。
闇の奥、幽玄なる幻想に鮮やかなる緑の空間が現れて、天へと優しく手を広げる老木が、ゆっくりと語り始めてくれた。繰り返し訪れる、春の想い出と夢の話しを。
記憶の霞みに咲く花は、夢に匂う想い出の桜。薄明かりに散り行く姿も美しく、ただただ愛しくて。
眠りから覚めた僕は、眩しい葉桜の木漏れ日に、澄み渡る青空を見上げた。

キルシュ・ヴュー


京都
ghost ゴースト