最
果ての海に夜が来て、光は永遠に溶けていく。昼と夜の狭間に訪れる、夕凪の静寂。沈んだ太陽が残していった、最後の光が、欠片となって咲いていた。今日という日は目をとじて、眠りの国へと落ちていく。星が囁く、静かなる夢幻へと。
波の華
京都
聚洸 じゅこう
serenity of mind becoming a person who is identified with the clouds in the sky and the stream below.
猫
のようだと感じたのは、その存在感。使い古された家具や本が並び、少々暗い照明の部屋に、すっと馴染んで立っていた。天
高く雲は流れて、僕らの翼はどこまでも飛んでいけるさ。太陽が溶けた、空の果ての果て、楽園よりも天国よりも遠く、どこまでも自由に。精
霊の笛の音が、軽やかに響き渡る。空は波打ち、雲は輝き、木々は生茂り、花は溢れ、星の数ほどの恋が咲いた。そして恵みの雨が、大地へと降りそそぐ。月
光は夜闇に薫る。昼間の輝きを思い出し、星々へと分け与えているかの様に。太陽の光りは、僕には眩しすぎるけれど、月は優しく微笑んでくれた。蓮
の花の源は、深く遠く離れていても、きっと同じなんだと思える不思議。この花の咲く世界の果てで、あなたの側にも美しき蓮の花が咲いているのでしょう。海
から吹く風はゆったりとして、曲がりくねった道を抜け、緑の丘を駆け上がる。雲間から覗いた太陽は、地上の子供たちに手を振っていた。陽
炎の流れを越えて、ふと迷い込んだ静謐。ゆれる柳のせせらぎに、涼を求めて腰を下ろす。花
咲く朝日の輝きに似て、春の紅は幸福の甘露に濡れていた。西
方の空は葡萄色に染まり、大聖堂の鐘が鳴り響く。夕刻の礼拝は厳かに行われ、我々は黄昏に祈りを捧げた。砂
漠の果てに、赤い太陽が沈んでいく。青空には花のようなピンクが流れ、黄金の光条が反射していた。その波の上を、染まりゆく雲が流れていく。君
想う風はエメラルド。見あげた空の幻に、満ちゆく月から零れる涙。窓辺に漂う愛しさから、美しい恋がひとしずく。微笑む瞳から生まれた宝石が、煌めく海で揺れていた。月
の船に乗って、星の河を渡るの。翼を広げた白鳥が、約束の場所へと導いてくれたわ。星空の彼方で輝く、あなたの元へ。恵
みの雨が降りそそぐように、愛が僕の乾いた心を潤してくれた。君は女神からの贈り物。これは運命。海から吹く夏風に、金色の髪をなびかせる君を、僕は雲に乗って迎えよう。見
上げるとそこには、笑顔の太陽が輝いていた。降りそそぐ陽光は甘く、風は爽やかに薫る。夜
の帳はしっとりと降りて、無数の星が輝き始める。笑
顔さえあれば、楽園へ行けるんだ。だって君は、麗しい天使なのだから。光
降るような、真夏のにわか雨。白い砂丘を濡らす滴は、金色の幻想。寄せては返す白波は、君への愛の歌。潮騒を聴いてごらんよ。夜にはこの浜辺に、綺麗な星が降るんだ。夢
見る太陽の吐息。その甘さと優しさに溺れ、夜の向こう側へと滑り落ちた。恋
しくて、恋しくて。朝露に、夏の想い出が輝いていた。届かなかったラヴソングを微風に乗せて、太陽に手を振った。