20100831

刹那の郷愁


果ての海に夜が来て、光は永遠に溶けていく。昼と夜の狭間に訪れる、夕凪の静寂。沈んだ太陽が残していった、最後の光が、欠片となって咲いていた。
今日という日は目をとじて、眠りの国へと落ちていく。星が囁く、静かなる夢幻へと。

波の華


猫の夢


だまりの温もりと、太陽の匂い。気持ち良さそうに眠る猫が見る夢は、光に溢れていた。
いつもの窓辺。または、膝の上にある、ちいさな平和。そのやわらかな感触を確かめるように、永遠という名の午後を微睡む。
おやつの時間が来れば、すぐに目覚めるけどね。

レモンのシフォンケーキ


京都
Citron Sucré シトロン・シュクレ
http://speem.com/citron/

20100830

心の隙間に寄り添うように


のようだと感じたのは、その存在感。使い古された家具や本が並び、少々暗い照明の部屋に、すっと馴染んで立っていた。
きっとコイツは、居心地の良い場所を、誰よりも知っているのだろうなと思ったら、にゃあと後ろで声がした。
わざとらしく振り向き、そうだよ、君のことを考えていたんだと嘯いて、小さな額を撫でてやると、あずきはゴロゴロと咽を鳴らした。

みつまっちゃパフェ


京都
http://www.kotobanohaoto.net/

20100829

ゆらり


流に揺れる梅花藻を眺めていた。そよ風を飛び越えて遊ぶ蜻蛉が、水面に透明な波紋を重ねていく。木陰に彷徨う残暑は、朧な白日夢に踊っていた。
ただぼんやりと、過ぎゆく午後。柳陰と、小話程度の思い出を、黄昏までの肴にして。

藻の花


フェザーステップ


めく夏の、鮮やかなるステップ。ひとくち毎に異なる、甘味の上で踊る酸味。あぁ、海から吹くココナッツの風は、まるで笑っているようだ。
ゆっくりと流れていく夏空を、優しいそよ風のステップで雲へと駆け上がり、僕らは空と海の向こう側へと踊り続けた。

ココットマンゴーパインエクレア


京都
むしやしない
http://648471.com/

20100828

Kiss the sky


高く雲は流れて、僕らの翼はどこまでも飛んでいけるさ。太陽が溶けた、空の果ての果て、楽園よりも天国よりも遠く、どこまでも自由に。
目を閉じるだけで、僕たちの背には翼が生える。目を開けて飛ぶために、僕らは夢を見るんだ。

パッションクリームのタルト


京都
Patisserie petitjaponais プチジャポネ
http://plus5.jp/pj/

20100827

ココペリの歌


霊の笛の音が、軽やかに響き渡る。空は波打ち、雲は輝き、木々は生茂り、花は溢れ、星の数ほどの恋が咲いた。そして恵みの雨が、大地へと降りそそぐ。
雲の彼方に、不思議な調べが踊っていた。遠くその音楽を聴き、僕らは夏の、深く高い青空を見上げた。

とうもろこしのソルベ


京都
Citron Salé シトロン・サレ
http://speem.com/citron/

20100826

Sur Un Nuage


光は夜闇に薫る。昼間の輝きを思い出し、星々へと分け与えているかの様に。太陽の光りは、僕には眩しすぎるけれど、月は優しく微笑んでくれた。
マリア様のマントは夜を包み、眠りの前の束の間に、お伽噺を囁いた。
おやすみシトロン。そして甘い夢をごらん。

2010年 第2回新作試食会

中心は、レモングラスのブランマンジェ。その他は左上から時計回りに、
ペリエのゼリー、トロピック、レモンのレアチーズ、グラス・オランジュ、夏のタルト、ガトー・ウィークエンド、レモンのプチシュー、ムラング・シトロン、レモンのシフォンケーキ。


Life is like a raindrop on a lotus leaf.


の花の源は、深く遠く離れていても、きっと同じなんだと思える不思議。この花の咲く世界の果てで、あなたの側にも美しき蓮の花が咲いているのでしょう。
そんな事を思いながら、不思議なアンコナンをいただきました。京都とインドのコラボレーションは、美味しさと笑顔で繋がっていましたよ。

アンコナン


京都
Alapadma アラパドマ
http://alapadma.info/

20100825

光さす方へ


から吹く風はゆったりとして、曲がりくねった道を抜け、緑の丘を駆け上がる。雲間から覗いた太陽は、地上の子供たちに手を振っていた。
向日葵は太陽を見上げ、笑顔を返す。影が踊る陽炎の中を、ゆっくりと夏が通りすぎていく。

タルトシトロン


京都
SALON DE THE AU GRENIER D'OR オ・グルニエ・ドール

20100824

SANSET PRAYER


陽の溜息に黄金は燃え、夕焼けが揺れていた。昨日までの道を照らした残光が、ゆっくりと微笑んで消えていく。
私達は、解き放たれた明日への道を進む。輝きはじめた夜空には、遠く幾億もの星々が浮かんでいた。
サヨナラとオハヨウの間に、静かな祈りを。そして私は、光り輝く星に手を伸ばした。

Jovi(ジョヴィ)とハイボール


大阪
http://broadhursts.com/
The COURT ザ・コート
http://shibakawa-bld.net/story/2009/03/_the_court.html
Bon Jovi ボンジョヴィ
http://bonjovi.com/

20100823

桃花源


炎の流れを越えて、ふと迷い込んだ静謐。ゆれる柳のせせらぎに、涼を求めて腰を下ろす。
注いだ茶の香りを歩きて仙境に至り、シャングリラの花を持ち帰る。
口福に咲く夢は甘く瑞々しく、旅人の渇いた心を潤してくれた。

桃大福


大阪
菓匠 日月餅 にちげつもち
http://nichigetsumochi.jp/

Petit Japon


咲く朝日の輝きに似て、春の紅は幸福の甘露に濡れていた。
煌めく朝露は甘く、それはまるで夢のように香る。
遠く蘇る曙と、詩情溢れる古の歌を、静かな水辺で楽しむ余韻。
手に入れた花は、真に麗しく。

フランボワーズ大福(赤餅)


大阪
菓匠 日月餅 にちげつもち
http://nichigetsumochi.jp/

20100822

菫色の聖母


西

方の空は葡萄色に染まり、大聖堂の鐘が鳴り響く。夕刻の礼拝は厳かに行われ、我々は黄昏に祈りを捧げた。
暮れていく空に星が瞬きはじめる。静かな記憶に咲く想い出は、遠く冷たくも美しく、燭台に灯る明かりのように、心の暗闇を照らしてくれた。

ディジョネーズ


京都
pâtisserie Tendresse タンドレス
http://kyotocake.com/

20100821

Caravan


漠の果てに、赤い太陽が沈んでいく。青空には花のようなピンクが流れ、黄金の光条が反射していた。その波の上を、染まりゆく雲が流れていく。
しばらく空を見上げていた旅人は我に返り、再び歩き始めた。砂漠が眠り、深い海へと変わる前に、あの星の門をくぐらなければならない。清らかな夢が、降りてくる前に。

キャメル


京都
Patisserie petitjaponais プチジャポネ
http://plus5.jp/pj/

20100820


寂に、ふわりと薫る、夏の匂い。石畳に水を打てば、すっと優しい風がそよぎ、小さく風鈴を鳴らしていった。それはまるで、見えぬせせらぎが空に生まれたようで、心も清めてくれる気がしたんだ。
この、見えぬ小川が夜空へと流れ、煌めく天の川に繋がると思えば、夏の暑さも心地良く感じられるだろう。

打ち水


京都
聚洸 じゅこう

20100819

クレオパトラの涙


想う風はエメラルド。見あげた空の幻に、満ちゆく月から零れる涙。窓辺に漂う愛しさから、美しい恋がひとしずく。微笑む瞳から生まれた宝石が、煌めく海で揺れていた。
君が願う世界の色を、どうか私に教えてください。

ぶどうのタルト


京都
Patisserie petitjaponais プチジャポネ
http://plus5.jp/pj/

20100818

永遠なる無限


使の羽根が、舞うように、地上に残された僕達の上に、白く甘い夢が降る。全ての想い出と優しさは、囁くように花咲いて、柔らかに瞼を閉じるその音で、2人は夢の世界に目覚める。
絡めた指先に未来を。再び閉じる瞳に永遠を。夏の終りに、たった1つだけの約束と、この世界にありふれた、真実の愛を1つだけ。

Savarin aux fruits(夏のサヴァラン)


20100817

夢見たものは


に染みる風景は、いつか見た黄昏。闇へと溶けていく世界の中で、君だけが僕の永遠だった。星明かりに照らされて、君が月へと変わる頃、夕凪に佇む僕は、太陽にサヨナラを告げる。
そして夜に、泡沫の夢が開花した。

Jacques(ジャック)


福岡
Jacques ジャック

君待つ月に


待ちの黄昏に、ゆらめく少女の笑い声。
太陽は、西の空を金色に染めて暮れゆきて、流れる雲の眩しさは、群れなす羊の柔らかさへと変化していく。
朧な月が、輝き始める前の束の間の、おだやかな気配と静寂。伸びていく影の先に僕は、手を振る君を見つけて微笑んだ。

チャイプリン


京都
twifull トゥワイフル
http://blog.goo.ne.jp/twifull

20100816

星逢いの夜


の船に乗って、星の河を渡るの。翼を広げた白鳥が、約束の場所へと導いてくれたわ。星空の彼方で輝く、あなたの元へ。
ねぇ、私の目を見て。そして優しく抱きしめて。今夜だけは、あなたと同じ夢を見ていたいの。

天の川


京都
甘楽 花子 かんらくはなご

20100815

送る手のひら


空に灯る赤い炎が、暗き道を照らし導く。闇に迷うことの無いようにと、過ぎ去りし旅人の安らぎを願う。
手を合わせ、眺めた先に、鎮魂の祈りを。
しっとりと吹く風は星影に揺れて、夏の終りが近いことを教えてくれた。

抹茶のタルト(送り火バージョン)とアイス・カフェラテ


祈り


流(せせらぎ)に濡れる小石は苔むして、時は穏やかなる調べに身を委ねている。水面にたゆたう梅花藻は、祈りに咲く白い星の様で、あれらはきっと、誰かの清らかなる願いなのだろうと思った。小さな祈りがさらさらと、透明な小川に揺れていた。
暑い夏が来る度に、僕らは遠い昔を思い出す。

抹茶ボーロ


京都
Limour リモール
http://www.limour.com/

20100814

Amours divins!


みの雨が降りそそぐように、愛が僕の乾いた心を潤してくれた。君は女神からの贈り物。これは運命。海から吹く夏風に、金色の髪をなびかせる君を、僕は雲に乗って迎えよう。
そして君に、甘くとろける愛を捧げよう。

Poire belle Hélène(洋梨のベルエレーヌ)


京都
Le Café ル・カフェ
http://ifjk.jp/cafe
La belle Hélène / Jacques Offenbach

20100813

夏休み


の丘に降る、黄金の木漏れ日。その小さな木陰に揺れる、名も知らぬ花。
夏の想い出が溶けていく青空を、ぼんやりと眺めていた。白い綿雲が生まれるのは、こんな日の午後。誰かの想いがプカリと浮かび、蒼天を流れていく。

抹茶大手芒とマンゴージュース


京都
Doughnut Cafe nicotto & mam ニコット&マム
http://doughnut.jp/

20100812

明日の太陽


上げるとそこには、笑顔の太陽が輝いていた。降りそそぐ陽光は甘く、風は爽やかに薫る。
煌めく朝露はウサギの前で跳ねて、祈りの虹を描いた。今日という日の永遠を、僕らは太陽に感謝して、明日の笑顔を約束した。

Agre-doux(エガドゥ)


京都
PÂTISSERIE . S パティスリー・エス
http://patisserie-s.com/

20100811

Poetic Moment


に歌う鳥の声が、朝もやの森に木霊する。夢の中を歩いていた詩人は、湖畔に満ちていく朝の気配に耳を澄ませ、ゆっくりと深呼吸をした。
人知れず生まれる朝。せせらぎと微風と木漏れ日と、暖かな太陽の笑顔に感謝して、今日に咲く詩と歌の全てを、月の女神へと捧げよう。

Baumkuchen(バウムクーヘン)


京都
Konditorei GLÜCKS-SCHWEIN グリュックスシュバイン
https://sites.google.com/site/gluecksschwein1987/

20100810

空想の水色


辺に想う。美しい渚に、涼し気な白州に、この小さき庭のせせらぎに、見えるはずの無い透明な水を、青く染めるものの正体を。色の無い水と光りに映るアオは、僕らの憧れだろうか? それとも悲しみや虚しさなのだろうか? なぜ水は、空の青だけを写すのか。
空想の境界線を、白い微睡みが流れていった。

水の宿(みずのやどり)


京都
虎屋 とらや
http://www.toraya-group.co.jp/

20100809

愛しい笑顔のために僕は、君に何が出来るだろうか?


の帳はしっとりと降りて、無数の星が輝き始める。
夢見るように優しく、抱きしめるほどに甘く。腕の中で微笑む君の睫毛の先に、真珠の光を見つけた僕は、無邪気な君の願いをただ、叶えてあげたいと思った。

洋梨のタルト


京都
Le Sucrier ル・シュクリエ
http://lesucrier.web.fc2.com/

20100808

夏の果に


寂に咲く花は、儚くも胸の鼓動の内に消え、多くの祈りを照らすのだろう。
刹那の光に浮かぶ影は揺れ、宵闇に踊っているようだ。
そっと握った君の手のひらに、すぎゆく夏を感じて。

 夏花火 祈りて見れば 大輪の
        夢の煌めく空に咲く

葉月“夏花火”


京都
SOU・SOU そうそう
http://www.sousou.co.jp/

20100807

Club Tropicana


顔さえあれば、楽園へ行けるんだ。だって君は、麗しい天使なのだから。
ほら、星屑は南風に舞い、夜遊びの太陽と、夏の女王が踊っている。
千の星が降る場所へ、クラブトロピカーナへようこそ。
甘い夏の夢を、お楽しみあれ。

プディン・オ・マングー


京都
Citron Salé シトロン・サレ
http://speem.com/citron/

20100806

よろこびに咲く花


辺にゆれる、小さな花。部屋に溢れる光を集め、頬笑みに変える花。
よろこびの側に佇んで、想い出の中で微笑んで、可憐な香りを残して消えた、名も知らぬ花のように。

マカロン・リス・シトロン


京都
Citron Sucré シトロン・シュクレ
http://speem.com/citron/

20100805

暮れてゆく空は


しい風が吹き、黒蜜の甘さが、夏の黄昏を感じさせてくれた。
溶けていく、羽のような淡雪が、フワリと茜に消えていく。
柱時計の振子が刻む時の中で、僕は夕闇に伸びる影を見つめていた。
過ぎ去れど、変わる事の無い幻を。

黒蜜


京都
ぎょくえん

20100804

夏の翼


降るような、真夏のにわか雨。白い砂丘を濡らす滴は、金色の幻想。寄せては返す白波は、君への愛の歌。潮騒を聴いてごらんよ。夜にはこの浜辺に、綺麗な星が降るんだ。
紺碧に浮かぶ歌島を、2人で眺めていたあの日。ねぇ、僕らの心は何処を目指していたのかな。

Piña Colada(ピニャコラーダ)


京都
PÂTISSERIE . S パティスリー・エス
http://patisserie-s.com/

20100803

地図をください


色の地図をください。街の名前の書いてない、青く透明な地図を。
見知らぬ道を指でなぞって、景色を思い浮かべるの。遠回りしたり、迷子になったりしながらも、きっと楽しい旅になるわ。
私が通りすぎた後に咲く、小さな花を目印に、あなたの地図を描いてください。空色の、ステキな地図を。

豪華絢爛!!抹茶白玉パフェ


京都
AMUCA アミュカ
http://blogs.yahoo.co.jp/accessory_music_cafe

憧夢


供の頃に夢見たのは、こんなテーブルだった気がする。
手作りの美味しいドーナツと、大好きなソフトクリームがあって、ちょっと背伸びして苦いコーヒーを飲んでみたりするの。
大人になった今では、コーヒーに砂糖もミルクも入れないで飲めたりするのだけれど、心が甘さを求めているのかな。
たぶん、子供の時よりもずっと。

ドーナツ(ダブルショコラ)とソフトクリーム(カップ)とフクロウ珈琲


京都
AMUCA アミュカ
http://blogs.yahoo.co.jp/accessory_music_cafe

20100802

眠り姫


見る太陽の吐息。その甘さと優しさに溺れ、夜の向こう側へと滑り落ちた。
ミルク色のシーツに包まれて眠る太陽は、夢の中で微笑む。溢れる幸せは、夜空に零れて星へと変わる。
微睡みの中で明日を創造する女神は、ただただ愛しくて。

チーズケーキ


20100801

恋しくて


しくて、恋しくて。朝露に、夏の想い出が輝いていた。届かなかったラヴソングを微風に乗せて、太陽に手を振った。
青空に、白い雲が流れていく。誰かへ、では無い大きな想いを抱いて、眩しい光に溺れていたい。今だけは、ね。

レモンのタルト


京都
Citron Sucré シトロン・シュクレ
http://speem.com/citron/