20110219

Au clair de la Lune


に迷った僕たちを、月の光が照らしていた。眠れぬ夜の、夢の続きを、月の光が教えてくれた。甘い微睡みに僕たちは、淡い微笑みでこたえた。
月のカケラを枕にして、僕らは再び眠りに就いた。横切る雲ですら隠すことの出来ない満月の、降りそそぐ光は柔らかな羽根に似ていた。
夜空に羽ばたく天使が見えたから、僕はオヤスミとつぶやいた。

温かいリンゴのタルト アールグレイのフラン添え
(Hot Apple Tart with Earl-Grey Flavored Flan)


京都
遊形 サロン・ド・テ ゆうけい



遊形サロン・ド・テのメニューは少ないけれど、季節毎に限定品があって、それを毎回楽しみにしている。この林檎のタルトは冬の定番で、その香りと味と雰囲気に、ほっと安らぎを覚えるんだ。
ただ面白いことに、待ち望んだ、知っているはずの品なのに、毎年新しい発見があって、深い感動と喜びを味わうことが出来るんだ。それは作り手側の進歩に他ならないとは思うのだけれど、何だかこう…そうだな、僕自身が新しく生まれ変わったような錯覚を抱けるから、毎回新しい出逢いのように思えるから、再び巡り来る来冬が楽しみでならないんだよね。
それってさ、“生きる”って事だと思うんだよね僕は。