20110109

金のスプーン


福という言葉があって、それは造語かも知れないけれど、僕はかなり気に入っているんだ。美味しいものを口にした時は、誰でもが幸福を感じられるだろう?
そのヒトクチを運ぶスプーンは、(それが何色であっても)僕には黄金色に輝いて見えるから、まるで月や太陽や、とても大きな星が運んでくれたような気がして、優しい気分になるんだよ。
それがトキメキや空想であり、ここに書いてあるものの正体なんだ。

かぼちゃのプリン(pumpkin pudding)


京都
きさら堂 きさらどう
http://www.ne.jp/asahi/cafe/kisarado/



本を開きたくなるような空間、と言えば納得されるかも知れない雰囲気の店。もしかすると、時が止まったように感じる事もあるから、栞に似ているのかも知れないね。
だとするならば、ここで過した時間や、君とのお喋りの内容は、今日というページ_あるいは、段落や章だろうか?_に書かれたものと言えないだろうか?
壁は小さな個展スペースになっていて、ふと目が合った時の気持は、珈琲や食事や、吐息や瞬きに、少しだけ香りを添えてくれるんだ。
…ねぇ、何処にでも有るものなのに、僕たちはついウッカリと、幸せなんて大層なものを探そうとしてしまう。こんな小さなスプーンの上や、僕と君との間にもあるものなのにさ。