20110414

すずらんの音色


くように、囁くように、君の心に寄り添うよ。
離れていても、眠っていても、君の心に寄り添うよ。
例えばそれは、月のように。時にはそれは、雲のように。君が君を忘れたとしても、君の心に寄り添うよ。

フィナンシェ(Financier)


東京
Cura² クーラ
http://cafe-cura.com/



記憶の片隅に、そっと寄り添う。そんな印象を受けた、お菓子と珈琲。ふらりと訪れた店内は、初めてなのに優しく落ち着いていて、まるで以前からそうであったかの様にこの店は、お気に入りのカフェに加えられてしまった。僕の記憶なんて曖昧だから、この店も、通い慣れた店も、等しく愛してしまうのだろう。
この椅子にも、テーブルにも、並べられた本や、淡いランプの灯りにさえも、不思議と愛着を覚えた。僕では無い僕が、何度も通っているのだろうか? それともこれは、未来の僕が感じているものなのだろうか?

リンと小さな鈴の音(ね)がして、僕は微睡みから目覚めた。読みかけの本に栞を挟み、静かにその本を閉じた。
話しの続きは、夢の中の僕が読むだろう。