ラベル Kasagiya の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Kasagiya の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

20110319

ありがとう


は過ぎゆく。記憶も、思い出も、良いことも悪いことも、全ては流れ去っていく。僕はそれで良いと思う。ただ、ふと思い出すことがあり、それで心落ち着けるのであれば、それが幸せなんだと思うんだ。
だからこそ僕は、大切な物事を、時に思い出すようにしている。ゆっくりと、感謝しながら。

三色萩乃餅(Trois sortes de ohagi)


京都
かさぎ屋 かさぎや
http://2nenzaka.ne.jp/view.php?id=kasagiya



二寧坂の甘味処で、竹久夢二も通ったそうだ。夢二が美人画を描いていたことよりも、僕は彼が、かさぎ屋に通っていたことの方を強く記憶している。愛しい女性が居ればこそであろうが、甘いものが好きだったのだろう。そんな夢二を僕は、少しだけ身近に感じているんだ。

記憶は記録とは異なり、確実に変容していく。良くも悪くも、不確かなシロモノだ。思い入れがあれば、そのとき感じたこと以上に鮮明な記憶となるだろう。でも、悪い記憶は忘れたらいい。良い記憶を思い出すことできっと、流され薄れてゆくだろう。
僕は日常的に甘いものを好むのだが、たとえば君が…そうだな、癒しなんて物を求めてこの店を訪ねたいと言うのであれば、いつでも僕を呼びつけてくれ。案内するよ。そりゃ僕だって、美人と一緒の方が良いけれど、友の頼みだ、駅まで迎えにも行くさ。

そう話しながら彼は、嬉しそうに3つのお萩をペロリと平らげた。白漉し餡のおはぎは、寒い時期だけで、もうすぐ黄な粉のおはぎに代わるそうだ。
『すみません、善哉を1つ!』
彼がこの店を訪ねる理由が、私のお供だとは信じられないわ。

20091107

時の色香


夢二が通った甘味処として有名で、
甘党の 素通り出来ぬ 二寧坂
などと言われる店でもある。変わらぬ風情に、大切な想いや歴史を感じ、壁にかけられた絵や柱時計を眺めていると、甘党だけでは無く、時すらも素通り出来ない店なのだと知る。
ただ流れ去るのみの時が、優しい人々の想いと重なったとき、こんなにもゆっくりとした寛ぎの場所を作り出してくれるのだと、お茶をいただきながら思った。

いつもの三色萩乃餅を。
ほろほろと、くずれ落ちるほど柔らかな粒餡。上品に、淑やかに佇む穏やかなこし餡。ふわりと懐かしさを感じ、温かい気持ちになるきな粉。
ほっこり、はんなり、まったりが、皿の上でしっとりと香り立ち、もう少しだけ此処に座っていたいと思わせるのです。


京都
かさぎ屋 かさぎや
http://2nenzaka.ne.jp/view.php?id=kasagiya