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20110531

堕天使の歓び


る夜空の三日月が、零した吐息は夢より甘く、闇を艶やかなビロオドで包み込んでいく。
漆黒に咲く想い出は鮮やかに、夜風に吹かれて幻に散る。溶け出した誘惑は果実の様に熟れて、幸せなる咎人の手に落ちた。

フォンダンショコラ & パウロ・ベルタ
(Fondant Chocolat & PAOLO BERTA 1990 Berta)





白い皿に描かれた、黄金色の甘い三日月。空に咲く赤い薔薇と、漆黒の夢。
フォンダンショコラに銀のナイフを入れ、溶け出す魅惑にパウロベルタの一雫。…ほら、夜に花が咲いた。君の血よりも鮮やかな花が。
月の涙で、溺れる程の花を咲かせよう。そら、堕天使の葬列だ。
君の血がショコラの様に香るまで、僕は君を愛し続けよう。

どんなに抱きしめても届かない想いが、夜の闇へと溶けていった。

20110404

春に咲く幻想


に宿る、淡く儚い夢の香り。微睡みに瞬くのは薄紅色の胡蝶だろうか。幻は、夜は花灯りに遊び、昼は花影に踊っていた。…見えない雨が、虚空に穏やかな余韻を残し、想い出のうちに消えていく。
すれ違う微風が奏でたのは、恋の残り香のようであった。

Les Confitures Extra de Christine Ferber
“Kyoto”
(framboises et griottes d'Alsace à la rose)


アルザス
MAISON FERBER メゾン・フェルベール

KYOTO


都の吐息。京都の眼差し。僕らは何も知らない。目に映る全てに宿る、見えない余韻。耳に届かぬ全てに響く、聴こえない囁きを。
はんなりと、香る匂い。陰に咲く幻の花。陽の光に佇む僕たちの、影に寄り添う優しさに似て。何も知らない僕たちは、全てに包まれて生きている。
掬った一匙の幻想と、ガラスの小瓶が落とした影を、ルージュに染める、彼女の淡い夢よ。

Les Confitures Extra de Christine Ferber
“Kyoto”
(framboises et griottes d'Alsace à la rose)


アルザス
MAISON FERBER メゾン・フェルベール



去年の秋に、マダム・クリスティーヌのアトリエを訪れた際には、まだそれはイメージの世界だけだった。だから僕は悪戯っぽく、エヴァンさんの新作ガトーは、京都よりも奈良のイメージでしたよと言うと、彼女は笑顔でこう応えた。
『大丈夫。私は京都をイメージしているわ。任せて!』
そして年が明けて、伊勢丹のSDCに持って来られたのが、このコンフィチュール。名前も“Kyoto”だ。僕は嬉々として蓋を開け、京都の友人達と庭を眺めながらいただく事にした。
…薔薇の花びらは、空に舞う桜だろうか。いや、緑に落ちた花弁のようでもあるし、余花をも想わせてくれる。グリオットは古都の気配を伝えるとともに、祇園界隈の石畳を思い出させてくれた。何よりも、そのルージュの色と艶が、京都らしさを物語っている。紅の和傘が、影に落とす色。舞妓の柔らかい唇。連なる鳥居。夜の紅い提灯や、ぼんぼりの温もり。あとは…そうだな、血の色だ。受継がれてきた歴史の色。この街に息づいている、深く優しい気配。とても京都らしいと感心し、同時に僕は、彼女以上に京都を知っているのだろうかと悩んでしまった。
甘い余韻の中、冬の庭を眺めていると、桜の老木に幻の花が咲き誇った。それは妖精の魔法だったのかも知れない。

いつか彼女とご家族に、美しい京都の桜を見せてあげたいと思い、この桜の樹にお願いをした。

20110325

恋の迷宮


L

abyrinth of Love. It is a fragrant bloom.
瞳を閉じると、薔薇の咲く庭園が見えた。君との約束の、小さな庭だ。煌めく緑と、色とりどりの薔薇の咲く、秘密の庭。薫りの中で、それは恋に似ていると君は笑い、僕も微笑みで返した。

紅茶(wall of rose)


京都
MISSLIM ミスリム



『お好きなカップをどうぞ』
そう薦められたので僕は、美しく花の咲くカップを選んだ。入れられた紅茶は、“wall of rose”という物で、映画“秘密の花園”を思い出させてくれた。遠く初恋を想い出す、優しい香りだった。

迷宮を進み僕たちは、もう引き返せないほどに恋をしていた。愛に辿り着きたいと迷い、彷徨っていた。チェスの駒を進めるようには計算高くなれず、童話ほどには美しく無い日々の中で、それでも僕たちは優しくあろうと努めた。
行き止まりに立ちすくんでは引き返し、見えない壁の向こうを知ろうとしては、小さな棘に傷つきもした。それでも僕らは恋をする。幾つもの薔薇を咲かせて、愛に辿り着くために。


さて、最近お気に入りの新店を、3店紹介します。京都は小さい街だけど、愛しい店が消える事もあるけれど、それでも僕は、この街を愛し続けたいと思うのです。だからほら、花咲くように生まれた、僕のお気に入りを紹介するよ。

20110307

甘いものはお好きですか? #02


から花弁がこぼれた。僕には君が、春の女神に思えた。
生まれた夢は、白い砂漠で見上げた幻想的な昼間の月のように儚げで、異国の都で見つけた、紅く輝く曰く付きの宝石のように魅力的だった。
そして僕はもう一度、君にキスをした。

Ispahan( Gâteau au Framboise et Litchee à la Rose)


東京
PIERRE HERMÉ PARIS ピエール・エルメ
http://www.pierreherme.co.jp/



サダハルアオキにて、ピエールエルメのイスパハンを教えていただいた。幸い、宿泊予定のホテルは赤坂だったので、ニューオータニは歩いても行ける距離だった。友人のライブは夜だったから、銀座から地下鉄に乗って赤坂見附まで行き、SATSUKIを目指した。
なんだか不思議な気分だったけれど、運ばれてきたイスパハンを目にした瞬間、恋に落ちたと思う。そしてヒトクチで、僕はまた別世界に羽ばたいていた。
ライチは食べたことあったけれど、実はフランボワーズは初めてで、何よりも薔薇の花びらを食べられることが驚きだった。僕はマカロンの不思議な食感と、魅惑的な香りと味の陶酔感に暫し放心し、何か夢か幻を見ていたような感覚に包まれた。
後で調べると、イスパハンとは都市の名前で、アダムがエデンの園を追放された後に住んだ都と言う伝説も残っているそうだ。
だからだろうか、甘美なる喜びの陰に、胸を締め付けられるような淡い切なさと儚さと、少しばかりの罪悪感のようなものを感じていた。薔薇の花弁が落とす影には、見えない茨があるのだろう。それが僕の恋心に絡みついてくる。なんとも美しくも罪深い美味しさだった。

20110213

Amour de jardin


C

haque fois qu'elle vient, elle nous apporte des fleurs.
花の記憶は美しく、香りを心に残してくれる。だからこそ花々は、麗しく咲き誇るのだ。
そよ風と青空に、貴女の笑顔を思い出していた。
Je t'embrasse affectueusement
Merci!

Les fleurs de Christine Ferber
(Chocolat au Jasmin, Violette, Lavande, Rose)


アルザス
MAISON FERBER メゾン・フェルベール



クリスティーヌさんが花を届けてくれた。それも、素敵なショコラに包んで。
ショコラには、毎日眺めていた庭に咲く、季節の花々を閉じ込めたそうだ。不思議なことに、コンフィチュールやドライフラワーになって尚、陽光に咲く花のように瑞々しく、可憐な花そのものだった。もう、妖精の魔法と呼ぶしか無いよね。
閉じ込められた花々の記憶は、美しくも素朴な風景画にも似ていたから、壁に飾られた絵の様に撮ってみたよ。

話したいことは多く、時間はいくらあっても足りないけれど、なんだかお互いにいつでも会えるような気がして、多くは語らず、友人達との食事を楽しんだ。僕たちの記憶に、想い出となる花々を咲かせながら。

20110207

La Rose du Paradis


U

n soupir, ravive les souvenirs du paradis.
エデンの香り、楽園の記憶。戻れぬのならせめて、夢に溺れよう。刹那の夢に、一瞬の永遠に、失った愛の全てを描こう。
僕らが歩む茨の道は、薔薇の咲き乱れる楽園へ続くと信じて。

ローズ&フランボワーズのエクレア(Eclair : Rose et Framboise)
エデンローズの紅茶(Thé : Eden Rose)


東京
Pierre Marcolini Chocolatier ピエール・マルコリーニ
http://www.pierremarcolini.jp/

20101121

PAPILLONS DE NUIT


光蝶は、夜の帳にはらはらと、黄金の鱗粉で異界の星空を描く。青い魔術師は、暗闇に眠る薔薇にキスをして、長い夜に目覚めさせる。静寂に、淡雪のようなオルゴールの瞬きが、静かに降り始めた。
耽美なる夜。絡まる二人の視線の闇に、儚い幻想が咲いた。

L'Ispahan & Champagne rosè


パリ
LADURÉE Le Bar ラデュレ・バー
http://www.laduree.fr/



賑やかなサロンと、いつ見てもきらびやかなショウケースの前を通り過ぎると、静かな空間が隠れていた。パリ最後の夜だから、よく知っているものをと思い、ロゼとイスパハンをオーダーした。
違う雰囲気の中で眺めてみると、そこには僕の知らなかった可愛さが見えて、また君を好きになっていく。シャンパーニュから生まれた黄金の泡の吐息が、赤い薔薇の花びらの上で煌めいた。
例えば君が、もっと若くて、ちょっと背伸びをしたい少女であったなら、Juliette Has a Gunの香水を思い出したかも知れない。でも君にはもう、薔薇の気高さと蝶の羽根があるのだから、夜でも闇でも星空でも、何処へだって飛んで行けるさ。

君の瞳の泉を眺める僕の、深い霧に包まれた街角の劇場で、Paul Delvauxの絵画をモチーフにした、Raoul Servaisの幻想的なショートムービーが流れていた。

20101107

真夜中のアリス


A

lice in Wonderland.
闇に浮かぶ花、夜に木霊する笑い声、星の瞬くような囁きと、ゴースト達の噂話。仮面の下、深夜のパーティーは華やかで、夜遊びの太陽も、お忍びの満月も踊り明かしていた。
そっと喧噪から離れ、秘密の小部屋に潜り込んだつもりが、ここも新たなパーティーの準備中。…迷宮だなこれは。パーティーの迷宮。
ねぇ、アリス、僕たちはどこでお茶会をしようか?

Macaron(Rose & Framboise)


アルザス
MAISON FERBER メゾン・フェルベール



メゾンフェルベールの店頭に並ぶのは、素朴で優しいお菓子ばかりなんだけど、パーティー(それも深夜)ともなれば、こんな艶やかなものも。他にも2つのマカロンタワーがあって、踊り疲れた紳士淑女の皆様が、マカロン片手に、話しに花を咲かせておりました。
でも退屈な僕は外に出て、新鮮な空気を吸おうと夜空を見上げると、零れ落ちそうなほど沢山の星に溢れた空が広がっていた。知っているはずの星座が、探せないほどの星々の輝き!
あぁ、大聖堂の中のパーティーも、真夜中の星空も、僕にとっては迷宮だよ。

20101101

薔薇の乙女

E

lle m'a souri temdrement.
全ての女性の中にある、花のような笑顔。それを僕は、薔薇に例えよう。君が笑うだけで世界は、こんなにも美しく、こんなにも愛しく思えるんだ。
恋よりも、愛よりも大切な、永遠の約束をしよう。このキスと供に。

Religieuse (Rose et Framboise)


アルザス
MAISON FERBER メゾン・フェルベール



愛らしいピンクのルリジューズは、花の溢れる街(Ville Fleurie)に相応しいお菓子でした。ただ、写真を撮り忘れており、残念でなりません。いくつかのケーキだけで無く、人々の笑顔も、風景も、全ては私の心の中にしか記憶されておらず、だからこそそれは、まるで夢のように感じるのでしょう。
いや、写真を撮っていたとしても、撮っていなかったとしても、感動を記録出来るメディアなんて、心の記憶以外にありません。…そうだな、だったら少しだけ、今まで書かなかった心の軌跡や記憶なんてものを、蛇足ながら付け足してみようか。夢を忘れ無いためにも。

20101031

夏の想い出


p

arfum de la rose.
想い出が香る。例えばそれは、会えない君が残していった香りであったり、白日夢に咲く白い薔薇であったりと様々だけど、鮮やかな(そして優しい)夏の、頬を撫でるやわらかな陽射しを思い出す。
あぁ、愛しい君の、朝の微笑みと共に。

フレシュール・デ・テ


京都
pâtisserie Tendresse タンドレス
http://kyotocake.com/

20100928

唇にショコラ


にも思えるほどの、長い長い抱擁とときめきの中で、私は貴方に恋をした。溺れるように、捧げるように、盲目の夜に祈るように。
忘れられないの。あなたの唇が、甘い残り香が、刹那に見た永遠が。
続きがあるのなら、お願い、もう一度キスして。

GUILTY ROSE(ギルティーローズ)


三田
http://4e-chocolat.com/

20100722

咲姫


の砂の囁き、天使の羽の瞬き、微睡む朝露の煌めき。そんな幻を見るほどに君は美しく、どんな薔薇よりも可憐であった。
女神にキスをするようにそっと、僕は君の優しさに触れた。
青空の下、恋よりも淡く愛よりも深く、心に詩が踊っていた。

Luxe(リュクス)


京都
PÂTISSERIE . S パティスリー・エス
http://patisserie-s.com/
島根
奥出雲薔薇園 おくいずもばらえん
http://fregrance-rose.com/

20100710

そよかぜ


る微風は甘く囁いて、花々を鮮やかに染めていく。零れる雫は喜びの笑顔。やわらかな花びらを、そっと指で愛でる。
溢れる夏の煌めきが、夢の花園に満ちていた。

ローズのメレンゲ


京都
Citron Sucré シトロン・シュクレ
http://speem.com/citron/

20100705

イスカンダルの花


都に咲ける紅い花は、神々に捧げられた美しい薔薇。海に沈む太陽の色は、花の女王に相応しき色。荘厳なる夢の香が、優しく唇の上で踊る。
目を開けたままで見る夢はきっと、このように薫るのだろう。妖艶にして可憐な、魅惑的な匂いに抱かれて僕は、イスカンダルの花園に溺れた。

シャモニー


奈良
GATEAU DES BOIS LABORATOIRE ガトー・ド・ボワ
http://www.gateau-des-bois.com/

20100620

Sugary


の咲くような甘さは、君の笑顔と僕のよろこびで、2人で飲む紅茶は、散歩するように、どこか外国を旅行するような時間をプレゼントしてくれる。1杯のカップの中に、永遠を感じさせてくれるんだ。
それが夢だとしても、良いじゃないか。ほら、もう1杯。紅茶に花を咲かせよう。


京都
Magasin Des Fraises マガザン・デ・フレーズ
http://ichigonoomise.com/
Le salon sélectionné ル・サロン・セレクショネ
http://blog.ichigonoomise.com/?eid=1276731

※店内での写真撮影了承済みです

20100603

the Last Flowers


後の花。私が愛した世界に咲く、美しき星。
世界の終りに、それでも幸せだったと思えるほどの、麗しき花をサヨナラのかわりに。

最後にいただいたのは、静かなるディタ。思えば、最初にいただいたものの1つも、ディタであった。
オリエンタルな幻想のライチと、その陰に咲く薔薇が二輪。1つは可憐に、1つは妖艶に。
絡みつく茨の棘は心臓に優しく刺さり、私の血で薔薇は真紅に染まっていく。…あぁ、まだ私の血は赤かったのだと確認し、そして夢へと堕ちていく。愛しき世界の終りへと。

ディタ No.1 & MASSENEZ VODKA A LA ROSE


京都
ghost ゴースト



Happy end of the World.
... & Next.
Traveling ghost in GION.

寺町のghostはクローズし、6/9 (wed)にgion ghostがオープンします。次はどんな夢を見せてくれるのか、今から楽しみでなりません。
願わくば再び、血に花の咲く悦びを。

20100526

夏の貴婦人


しき人よ。木漏れ日に、夏を想う貴女の眼差しが眩しくて、私は言葉を失った。
太陽よりも輝き、黄金の蜂蜜よりも甘く、真紅の薔薇よりも美しき人よ。風光る陽炎に佇む君の微笑みに、どうしても私は、深い意味を求めてしまう。
それが例え、ただの戯れだとしても。

タルトシトロン+ローズペタル(オプションとして追加)


京都
PÂTISSERIE . S パティスリー・エス
http://patisserie-s.com/

20100521

薔薇色の人生


女が囁く。小さな声で、短い言葉をそっと。貴女は私を見つめる。美しい瞳で、真っ直ぐに。
すると私には、薔薇色の人生が見えてくる。貴女の吐息と眼差しに、うっとりとする薔薇を感じる。
君のキスで、僕は幸せにつつまれる。

ムラングシャンティ・ローズ(オーダー品)


京都
PÂTISSERIE . S パティスリー・エス
http://patisserie-s.com/

20100510

きみの吐息


国から遠く離れた地上に実る、魅惑的な果実。それは楊貴妃が愛した茘枝。そのライチの香りをヨーロッパが夢想したリキュール、ディタを用いた白いムースのケーキ。
その姿と味は、楊貴妃よりもむしろ、ディタ・フォン・ティース(Dita von Teese)の白い肌や微笑み。そして赤い唇を連想させた。…まぁ、単純に名前からなんだけどね。
このケーキに何を合わせようかと相談すると、出されたボトルが2本。薔薇と桃。薔薇(ローズのウォッカ)を選べばきっと、楊貴妃かイスパハンへと飛べるのだろうけれど、その色に魅かれて、あえて桃(X-RATED)に。

目を閉じて、溶けていく空想の中で私は、そっと夢にキスをした。

魅力的な君の眼差しよりも、艶のある唇よりも、僕は君の声と吐息の虜になった。
だからどうやって君ともっと話そうかと悩んだよ。君ひとりの為の詩人になれたら僕は、どれほど幸せなのだろうかと。
でもね、君が微笑むだけで周囲に咲く花々の幻に、僕のどんな言葉も無意味に思えたんだ。
…沈黙した僕は、君が決して悲しむことの無い世界を想像し、愛よりも強く神様に願った。

ディタ No.1 & X-RATED


京都
ghost ゴースト