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20110319

ありがとう


は過ぎゆく。記憶も、思い出も、良いことも悪いことも、全ては流れ去っていく。僕はそれで良いと思う。ただ、ふと思い出すことがあり、それで心落ち着けるのであれば、それが幸せなんだと思うんだ。
だからこそ僕は、大切な物事を、時に思い出すようにしている。ゆっくりと、感謝しながら。

三色萩乃餅(Trois sortes de ohagi)


京都
かさぎ屋 かさぎや
http://2nenzaka.ne.jp/view.php?id=kasagiya



二寧坂の甘味処で、竹久夢二も通ったそうだ。夢二が美人画を描いていたことよりも、僕は彼が、かさぎ屋に通っていたことの方を強く記憶している。愛しい女性が居ればこそであろうが、甘いものが好きだったのだろう。そんな夢二を僕は、少しだけ身近に感じているんだ。

記憶は記録とは異なり、確実に変容していく。良くも悪くも、不確かなシロモノだ。思い入れがあれば、そのとき感じたこと以上に鮮明な記憶となるだろう。でも、悪い記憶は忘れたらいい。良い記憶を思い出すことできっと、流され薄れてゆくだろう。
僕は日常的に甘いものを好むのだが、たとえば君が…そうだな、癒しなんて物を求めてこの店を訪ねたいと言うのであれば、いつでも僕を呼びつけてくれ。案内するよ。そりゃ僕だって、美人と一緒の方が良いけれど、友の頼みだ、駅まで迎えにも行くさ。

そう話しながら彼は、嬉しそうに3つのお萩をペロリと平らげた。白漉し餡のおはぎは、寒い時期だけで、もうすぐ黄な粉のおはぎに代わるそうだ。
『すみません、善哉を1つ!』
彼がこの店を訪ねる理由が、私のお供だとは信じられないわ。

20110208

Sereno


穏やかに、晴天晴朗なる日に遊ぶ午後。やわらかな光がゆらゆらと、そよ風の様に、梅の花を揺らしていた。
すずめの足音すらも聞こえそうな、長閑なひだまり。通りすぎた想いにふと気付き、見上げた空の色は優しく高く。

おはぎ(Ohagi)


大阪
菓匠 日月餅 にちげつもち
http://nichigetsumochi.jp/

20101205

山吹の夢路


れゆく茜の静けさに、笹鳴きの声が木霊する。落ちていく太陽は最後の黄金を投げ、山々を照らした。一瞬、光り輝く春の幻を見たような気がしたが、あれは狐の仕業だろうか?
落葉の下で、眠りゆく大地は静かに薫る。鶯の詩が聴こえる日まで。

きなこ


京都
今西軒 いまにしけん

20100417

逢瀬の桜


色の木漏れ日は、ひらひらと泡沫に舞う胡蝶。微睡みに羽化する我が魂よ、夢の蜜を求めてそっと、眠る君の吐息にとまれ。
春よ、愛しき人に逢えぬならせめて、同じ桜の夢を見させておくれ。

 うたかたの花かげに
  胡蝶となりし 春の日の夢

桜ぼたもち


京都
仙太郎 せんたろう
http://www.sentaro.co.jp/

20100227

絶景かな


知れず咲く幻の、遠き彼方に永遠を祈り、仙境に羽ばたく翼を得る。
霞に揺れる月影に、春の景色のめでたさに、我は常世の国の宴を見た。
酔うほどに月は、美しく輝きて。

大ぼた


京都
仙太郎 せんたろう
http://www.sentaro.co.jp/

20091126

清らかなる風のように


しい風に乗って届く、美しき想い。その清けし風味と印象。
つぶ餡は、ふんわりと暖かな日だまりの香り。こし餡は、澄んだ小川のせせらぎの音。きな粉は、薫り立つ大地の豊穣を感じさせてくれる。
おはぎは素朴な和菓子だけど、萩の花は、万葉集では最も多く詠まれた花。これほどまでに美しいと感じる餡の風味を、私は他に知らない。

余韻に花が咲く感覚を、はんなりと呼ぶのです。


京都
今西軒 いまにしけん

20091107

時の色香


夢二が通った甘味処として有名で、
甘党の 素通り出来ぬ 二寧坂
などと言われる店でもある。変わらぬ風情に、大切な想いや歴史を感じ、壁にかけられた絵や柱時計を眺めていると、甘党だけでは無く、時すらも素通り出来ない店なのだと知る。
ただ流れ去るのみの時が、優しい人々の想いと重なったとき、こんなにもゆっくりとした寛ぎの場所を作り出してくれるのだと、お茶をいただきながら思った。

いつもの三色萩乃餅を。
ほろほろと、くずれ落ちるほど柔らかな粒餡。上品に、淑やかに佇む穏やかなこし餡。ふわりと懐かしさを感じ、温かい気持ちになるきな粉。
ほっこり、はんなり、まったりが、皿の上でしっとりと香り立ち、もう少しだけ此処に座っていたいと思わせるのです。


京都
かさぎ屋 かさぎや
http://2nenzaka.ne.jp/view.php?id=kasagiya

20091025

拈華微笑のウテナ


手のひらから伝わるやさしさと、指先に込められた想い。ころんとした可愛いおはぎをいただきながら、壁にかけられた書画を眺めたり、生けられた季節の花を愛でながら、ほっと一息つける場所。
ほっこりと。少し立ち止まってみませんか?

 白露に香る萩の花
  仰ぎて見れば名月の
   清けし月影ゆれる薄野
    宵い待つほどに暮れる秋
  双子の山に遠く香具山を想えば
       こい深まるほどに花ともえ


京都
おはぎ巴屋 ともえや

20091024

春待草


に祈る。感謝する。
掌を合わせると、自然に感謝の二文字が浮かぶ、仙太郎の大ぼた餅。紫蘇を混ぜ込んだ大納言小豆と餅米に、薄い氷餅を散りばめて、丁寧に、丁寧に。職人の掌で丸められたぼた餅は、心に春が訪れたような、優しい気持ちになる味です。
美味しいは、いただきますごちそうさまの間にあると思うのです。
良き人で、在る為に。

 茜さす 紫の山に笑う花
  春待ちどおしやと ゆれる薄氷


京都
仙太郎 せんたろう
http://www.sentaro.co.jp/

20090924

楚々として


豊かなる土地を巡り歩き、出会った素材で香り高い品を作り出す。丁寧に、丁寧に、素材に真摯に向き合って、伝えるべき言葉を紡ぎ出していく。
点と点を結び、線として。残していきたい想いを、密やかに。

美しい和菓子を気楽に味わえる場所は、実は京都にも少ないのです。鈴懸の落ち着いた店内では、季節の品々を楽しむことが出来ます。
視覚と季節と銘を楽しむ事により味わえる和菓子。その魅力を堪能しましょう。


福岡
鈴懸 すずかけ
http://www.suzukake.co.jp/