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20110531

堕天使の歓び


る夜空の三日月が、零した吐息は夢より甘く、闇を艶やかなビロオドで包み込んでいく。
漆黒に咲く想い出は鮮やかに、夜風に吹かれて幻に散る。溶け出した誘惑は果実の様に熟れて、幸せなる咎人の手に落ちた。

フォンダンショコラ & パウロ・ベルタ
(Fondant Chocolat & PAOLO BERTA 1990 Berta)





白い皿に描かれた、黄金色の甘い三日月。空に咲く赤い薔薇と、漆黒の夢。
フォンダンショコラに銀のナイフを入れ、溶け出す魅惑にパウロベルタの一雫。…ほら、夜に花が咲いた。君の血よりも鮮やかな花が。
月の涙で、溺れる程の花を咲かせよう。そら、堕天使の葬列だ。
君の血がショコラの様に香るまで、僕は君を愛し続けよう。

どんなに抱きしめても届かない想いが、夜の闇へと溶けていった。

20110530

Rose romantica


薇の庭園を散歩した。雨上がりの花々は麗しく、雫は虹色に輝いていた。薔薇に宿る貴婦人たちの幻影と共に僕は、幸福の迷宮を彷徨う。
愛と薔薇は、とても良く似ていると思わないかい?

フランボワジエ(Framboiser)


京都
pâtisserie Tendresse タンドレス
http://kyotocake.com/


去年はこのフランボワジエからダム・ドゥ・シュノンソー(Dames de Chenonceauisato)を思い出し、そこからシュノンソー城へと辿り着いた。姿が変わって華やかさを増した今年は、鮮やかに咲くルージュ・ロワイヤル(Rouge Royale)だろうか。それともジャルダン・ドゥ・フランス(Jardins de France)だろうか。ペパンは爽やかな通り雨の雨粒の様に、輝く余韻にはじけた。薔薇の香りはしないのに、美しく咲く薔薇を想うなんて、不思議だよね。貴婦人を想い描くのは、何ら不思議じゃないけれど。
初夏の薔薇園を歩きながら、僕は夏の兆しを感じていた。

20110409

キスの意味


は香る。風は踊り花を咲かせていく。幾つもの花を。美しい花々を。
花の咲く理由なんて、愛以外にあるのだろうか?
だからもう一度キスを。

ルージュ・ベゼ(Rouge Baiser)


京都
pâtisserie Tendresse タンドレス
http://kyotocake.com/



シルエットは変わったけれど、花椒(Poivre Sechan)の香りと苺の可憐さはそのままに、もっと芳醇で愛しい味へと進化していた。優しいよりも、豊かなハーモニーよりも、もっと適切な表現を探すのならば、やはりこれは愛と呼ぶしか無いのだろう。それも、とても美しい女神との。
こんなにも愛しいお菓子を作る職人が京都に居ることを、僕は誇りに思う。だからこそ、このblogに書き続けているのだけれど。

20110402

Le Lac des Cygnes


は踊る。静かな夜の湖で。雲間から差す月影は、可憐な白鳥たちの幻想を見せてくれた。月の光は羽毛のように柔らかく、煌めく細波に踊っている。
湖畔に音楽が流れ始めた頃には、僕はその幻に、初恋の人を探していた。

タルトショコラ(Tarte au chocolat)


京都
Comme Toujours コムトゥジュール

20110112

La Joconde


笑みをもっと、笑顔をもっと眺めたくて、私は貴女へと近付いた。薄衣の柔らかな感触や、静かな吐息を知ってもまだ、貴女の微笑みには近付けないでいる私は、やはり不粋なのだろうか。それともただ、愛に臆病なだけなのか。
オペラの夜に輝く金色は、天使であり、願いを叶える星でもある。ならば私が願うのは、唯一つだけ。貴女の幸せだけなのです。

オペラ(Opéra)


京都
Atelier La Page Blanche アトリエ・ラ・パージュブランシュ
http://www.alpb.jp//



僕は知らなかったのだけれど、オペラというお菓子には細かな定義があって、高さまでもが正確に決められているそうだ。そう言えば、去年のS.D.Cで聞いたような気もする。
そこでふと気になって、このオペラを作られたチエさんに尋ねてみた。
『オペラを作るとき、何をイメージされましたか?』
決まり事以外で、作り手が表現出来るものとは何だろうかと思っただけの、曖昧な僕の質問に、彼女は明確に答えてくれた。
『美味しいジョコンドを作りたかったの。』
つまり、もっと微笑みが欲しかったのだと聞いて、僕はとても納得出来た。何故ならこの美しいオペラには、微笑みが静かに溢れていたからだ。

20100624

夜の帳が降りて


の裏の幕が上がり、夢のオペラが開演された。うっとりとするほどの恍惚と、静かな胸騒ぎ。
長い夜の始まりに似て、静かな音楽のような口当たりは穏やかに、ゆっくりと心を浸食していく。そして頬笑みの後に至る、陶酔のアロマ。
物語は夜に創られる。星空に降る、貴方の夢の中で。

Opera(オペラ)


大阪
Pâtisserie quai montebello ケ・モンテベロ
http://www.quaimontebello.com/

20100605

Luminescence


にしか咲かぬ花の薫り。星影に舞う蝶の隣粉。すれ違った、名も知らぬ美女。
闇と影の境界線すら分からぬ森の、木々の下に眠る記憶。暗闇に想い出が足跡を記し、独りで飲む酒がそれを、仄かに光らせた。

クレーム・ド・グリオット No.1 & ラガヴーリン16年


京都
ghost ゴースト

20100528

君にキスを


り逢えた幸運を、この夜に感謝せずにはいられない。神からは遠く離れてしまったこの僕の祈りは、愛しい君へと届くのだろうか?
戯れにすぎない永遠に、別れの朝が来るならその時は、最後の眠りの前に、君に真実のキスを。

手前:スプリングバンクとショコラノワールのマカロン
奥:フレーズとショコラブランのマカロン


京都
ghost ゴースト

20100502

Forest Notes


しい角をもった鹿に導かれるようにして、僕は深い森へと迷い込んだ。
闇の奥、幽玄なる幻想に鮮やかなる緑の空間が現れて、天へと優しく手を広げる老木が、ゆっくりと語り始めてくれた。繰り返し訪れる、春の想い出と夢の話しを。
記憶の霞みに咲く花は、夢に匂う想い出の桜。薄明かりに散り行く姿も美しく、ただただ愛しくて。
眠りから覚めた僕は、眩しい葉桜の木漏れ日に、澄み渡る青空を見上げた。

キルシュ・ヴュー


京都
ghost ゴースト

20100328

World's End Girlfriend


露に濡れる落葉が、闇に足跡を残していく。月すらも見えぬ道を迷わないのは、貴女が私の星だから。
夜にしか会えぬのなら、朝は来ないで。この暗闇が続くのはきっと、空の向こうで太陽と月が逢っているからに違いない。
世界の果てに居る君へ、終わらない愛を。

ノワール


京都
Patisserie petitjaponais プチジャポネ
http://plus5.jp/pj/

20100307

黒衣のマリア


場から漏れ聞こえる幻想に、静かに耳を澄ませば、空想楽団のメロディーが、忘れていた第六感を刺激する。
紳士淑女の皆様へ。この素晴らしき夜へようこそ。透明な暗闇、美しい漆黒、誰もが憧れた、真実の夜へようこそ。
黄昏に、観客たちの微笑みが響き渡り、淑やかに幕は上がる。物語を呟きはじめた吐息から、聖母の詩が零れた。

オペラ


京都
Atelier La Page Blanche アトリエ・ラ・パージュブランシュ
http://www.alpb.jp//

20100214

Le Sang d'un poète


V

alentine's Day
あなたは、今日をどのように過ごされるのでしょうか?
私は、特に季節やイベントに関係無く、ショコラに夢見たり、時には深く溺れてみたりしております。もちろん、今日も。
今月は、ずらりとショコラを並べてみましたが、いかがでしたか?
もし、気になるものが御座いましたら、眺めていないで、ヒトクチお試しください。
ショコラが溶けて、心に染み込んだ時、あなたは素敵な詩人になるのです。
沈黙すらも饒舌に、言葉よりも確かなものを。
人々がショコラを愛するのは、そのような理由からでしょう。
ワインよりも、コーヒーよりも、もちろん紅茶よりも。ショコラが流れる血は、甘く華やかに香るのです。

楽しい1日をお過ごしください。

ショコラタルト


京都
Comme Toujours コムトゥジュール

20100210

そして愛だけが残った

熱に焦がされて、ゆっくり闇へと溶けていく。
深く深く、誰よりも君に近付きたいのに、君は永遠に神秘的なままで、ただ愛情だけが、深まっていく。
高鳴る胸に、しっとりと染みていくショコラ。
絡まる指先と、熱い唇に、真紅の薔薇が咲いた。

ショコラのテリーヌ


京都
Patisserie petitjaponais プチジャポネ
http://plus5.jp/pj/