20110112

La Joconde


笑みをもっと、笑顔をもっと眺めたくて、私は貴女へと近付いた。薄衣の柔らかな感触や、静かな吐息を知ってもまだ、貴女の微笑みには近付けないでいる私は、やはり不粋なのだろうか。それともただ、愛に臆病なだけなのか。
オペラの夜に輝く金色は、天使であり、願いを叶える星でもある。ならば私が願うのは、唯一つだけ。貴女の幸せだけなのです。

オペラ(Opéra)


京都
Atelier La Page Blanche アトリエ・ラ・パージュブランシュ
http://www.alpb.jp//



僕は知らなかったのだけれど、オペラというお菓子には細かな定義があって、高さまでもが正確に決められているそうだ。そう言えば、去年のS.D.Cで聞いたような気もする。
そこでふと気になって、このオペラを作られたチエさんに尋ねてみた。
『オペラを作るとき、何をイメージされましたか?』
決まり事以外で、作り手が表現出来るものとは何だろうかと思っただけの、曖昧な僕の質問に、彼女は明確に答えてくれた。
『美味しいジョコンドを作りたかったの。』
つまり、もっと微笑みが欲しかったのだと聞いて、僕はとても納得出来た。何故ならこの美しいオペラには、微笑みが静かに溢れていたからだ。