夢
幻の見えない輪郭を、感覚を頼りに撫でる。心の指先でなぞった円は、儚い永遠。夢際に月を見つけ、微睡みに満月を追いかけた。君の永遠。僕の刹那。遥か彼方の隣人に、背中合わせの挨拶を。
遠くで春が、鳴いていた。
抹茶ぜんざい(Zenzai au macha)
椀に盛られた小豆と、ころんと丸い、炙った餅が2つ。それから抹茶。シンプルなそれぞれが導くひとときは、永遠にも感じる微睡みと至福。それは刹那の出来事だけど、僕を世界の果てへと連れて行ってくれる。…世界の果て?いや、この小さなお椀の中の、幸福へ。
『善哉(よきかな)』
その一言へと辿り着いた。