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20110525

恋セヨ乙女


女がキスをするように、小さな花を摘んでいく。時にくるくると花を回しながら想うのは、小さな恋の行方だろうか?
その清らかなる恋に、女神(Muse)たちの祝福を。

エルドベアトルテヘェン(ERDBEERTORTCHEN)


京都
KONDITOREI Mausi コンディトライ・マウジー



苺の時期に気まぐれに、マウジーに咲く小さなタルト。これをマーガレットに見立てて、恋占いでもしてみませんか?
もちろん、フランス式で。
Je t'aime, un peu, beaucoup, passionnément, à la folie...
ほら、甘い香りがしてきたでしょう?

20110521

La fantaisie


像の花は気まぐれに、夜と闇を越えて微睡みの光に咲く。胡蝶は無音の音楽を添えて、囁きを振りまいた。
触れることの出来ぬ世界の向こう側の残照を写して、月は今日も微笑んでいた。

トプフェンショコトルテ(TOPFEN-SCHOKOTORTE)


京都
KONDITOREI Mausi コンディトライ・マウジー



ウィーン菓子の全てが、クラシカルでシンプルで地味な重いお菓子なんていうのは間違いで、それは例えば、イタリア料理は全てにトマトが使われていると言うようなものだ。…まぁ、様々な種類の、色々なお菓子があるのだと言いたいわけなんだけどさ。
ちなみにこのトルテ、胡桃のブラウニーみたいな生地に、不思議な生クリームと、お酒が香る苺が乗っているんだと思ったの。とにかく素晴らしい香りのハーモニーが感動的なんだ。…でも実はこれ、生クリームでは無く、3種類のクリームチーズを混ぜたもので、お酒も全く使っていないそう。さらに、この3種類のクリームチーズの比率を変えると、また違った味と香りになるそうだ。繊細で手間のかかる、伝統的な製法だと教えてもらったんだ。
目に見える輝きだけを至上とする人々は、舌の上に載せられた味さえもきっと、理解出来ないと思うんだ。人間の五感、特に視覚なんて、いとも容易く騙されるモノなのだから。

僕の五感は鈍く、空想や妄想や勘違いや思い込みの数々は曖昧なものなので、美味しさへの感謝と共に、素直に教えを乞うようにしているんだ。だって、少しでもその秘密を理解したいと思うことが、お菓子への愛情へと繋がっていくと思うんだよね。

20110513

La clé du coeur


に繋がる心の扉を、あなたの鍵で開いて欲しいの。眠りの茨も、黒い森も、幻の城も全て、ただの魔法なのだから。
お願い、夜空に星を輝かせて。

イチゴのショートケーキ(Gâteau aux Fraises)


京都
Café Bastille カフェ・バスティーユ
http://www.bastille.jp/cafe/cafebastille.html

20110510

Valse Romantique


夜に奏でた夢の余韻が、さよならも言わずにベッドを抜け出した彼女の、残り香のような気配の中で踊っていた。
ふっと零した僕の溜息にもまだ、仄かな甘さが残っていた。

Valse Romantique/ Claude Achille Debussy

ショートケーキ(Gâteau aux Fraises)


京都
Limour リモール
http://www.limour.com/

20110508

The Unbirthday Song


る空の下、黄金色の昼下がりに、何でも無い日の、いつもの君の笑顔に。
紅茶とケーキと、ささやかなクッキーを添えて、あとは夢のような微風があれば、僕は幸せを感じられるんだ。

練乳ショートケーキ
(Gâteau à la creme de lait condensé et aux Fraises)


20110505

Les Larmes du Croissant de Lune


上げた夜空の月は金色で、清らかな月影は女神の睫毛のようだった。
泣いているの? 不粋な僕の問いかけに、彼女は笑顔で応えてくれた。
春の夜は、静かにすぎていく。

いちごショート(Gâteau aux Fraises)


京都
Le Sucrier ル・シュクリエ
http://lesucrier.web.fc2.com/

20110410

ユメウツツ


醇な太陽のアロマを思い出す、柔らかなランプの灯り。夜の寂しさと、眠りに落ちるまでの短い道を、光は淡く優しく照らしていた。夢枕で空想の羽根ペンをくるくると回していると、フワリと甘い記憶が蘇る。その微笑みを、微睡みの日記に綴った。
吐息は寝息へと代わり、文字は夢へと変容していく。おやすみ。昨日へと消えゆく今日の残り香よ。

バナナのエクレア(Éclair aux Banane)


京都
pâtisserie fraicheur フレシュール

20110406

花の季節


雪の下で眠る、春の花とトキメキよ。その甘い夢を、僕に教えておくれ。君が夢見る、春の夢を。
咲き誇る前の乙女にも似た、気丈なる清廉と美しさを、僕はここに見つけた。春よ、麗しき春よ。

苺のショートケーキ(Gâteau aux Fraises)





これは僕のワガママでしか無いのだけれど、この愛しいショートケーキのビスキュイを、日本人好みの柔らかいものに変えようかと悩まれていると聞いた時は、正直動揺した。だって、僕はこの、ほろほろと崩れていく食感と儚さを、とても愛していたのだから。
結局のところ、ビスキュイは今まで通りのものでやって行く事となり、僕は一安心した。そこで考えたのは、僕たちはあまりにもワガママでは無いだろうかという現実だ。無知故に、愛情に欠けるが故に僕たちは、作り手側に大きな無理を強いているのでは無いだろうか?
だから僕は、今まで以上に感謝して食べようと誓ったし、職人が目指すものを追い求められる環境と文化が、早く日本に根付いて欲しいと祈った。本当に、お願いだから、お店や職人へ文句を言う前にもっと、感謝と感動を伝えて欲しい。美味しい食事と、素晴らしい未来の為に。

20110403

夢の雫


れた涙の一雫が、心に静かな波紋を描いては消えた。悲しみとか、切なさとか、それらとは違う想い。例えるならば、桜咲く風景を眺めた時の、歌人の心境に近いのかも知れない。
風に揺れては微笑んで、青空に、夜闇に、はらはらと花弁を散らしていく。落ちた花びらに僕たちは、想いを重ねていく。その想いにまた、桜は花びらを贈るのだろう。

フレジェ(Fraisier)





3月22日、また1つ、僕は居場所を失った。好きな店が無くなるのは寂しいもので、残念に思う。いつまでも在ると思い込んでいた幻想が、突然終りを告げる。正直に言えば、やはり悲しみを感じてはいるんだ。
でも、この店のオーナーであった小林君は、見ていて飽きない。何か不思議と期待してしまうし、興味が尽きない。彼が作るお菓子と同じく、僕の想像なんてものを、軽く飛び越えていくんだ。だからきっと、また何処かで会うことになるのだろう。その場所にお菓子があって、僕が其処へ通えることを、最後の一皿に願った。
ちなみにこのフレジェの形、僕にとっては、涙よりも花びらのように見えていたんだ。桜が咲くよりも早くに散ってしまったけれど、その皿の上に、余韻の中に、僕は桜の花を夢見ていたよ。

それではまた。ごきげんよう。

20110402

Le Lac des Cygnes


は踊る。静かな夜の湖で。雲間から差す月影は、可憐な白鳥たちの幻想を見せてくれた。月の光は羽毛のように柔らかく、煌めく細波に踊っている。
湖畔に音楽が流れ始めた頃には、僕はその幻に、初恋の人を探していた。

タルトショコラ(Tarte au chocolat)


京都
Comme Toujours コムトゥジュール

20110331

The Neverending Story


の青空に残る軌跡を、ぼんやりと眺めていた。点と点を結ぶと線になる。喜びと喜びを結ぶと思い出になる。ならば、思い出と思い出を結ぶと…なんだろう? でもそれがきっと“毎日”で、僕らが“生きてる”という事なんだよね。
春霞の空に、夢と夢を結ぶ白兎が跳ねた。

イチゴのショートケーキ(Gâteau aux Fraises)


京都
Point Pour Point ポワン・プール・ポワン
http://www.ppp-kyoto.com/



通い慣れた北山店は今日で終り。明日からは府庁前の本店のみになるそうだ。北山店の雰囲気は大好きだったので、とても残念に思う。でもきっと、この大好きは消えないから、明日へ、そして本店へと繋がっていくのだろう。好きと好きが繋がって、大好きが続いていく。そう思えるから僕は、この残念に思う気持ちと一緒に、明日へと跳ねていこう。今日と明日を結び、未来にある大きな幸せへと。

20110322

Que me conseillez-vous d'aller visiter?


L

es gens ont des étoiles qui ne sont pas les mêmes. Pour les uns, qui voyagent, les étoiles sont des guides. Pour d'autres elles ne sont rien que de petites lumières.
一歩一歩と踏みしめながら、長い道のりを歩いてきたつもりだった。でも、空を見上げることを忘れていたのかも知れない。僕は何処へ進んでいるのだろうか? 僕は何処を、目指していたのだろうか? 足元ばかりを見ていた僕に、落ちる影は自身の影であった。空を見上げよう。そして、星を目指そう。
まだ雪の残る小径を歩きながら、僕は冬の終りを感じていた。

Macaron chocolat à l’ancienne


パリ
JEAN-PAUL HÉVIN ジャンポール・エヴァン
http://www.jphevin.com/



タイトルと冒頭の一文は、サンテグジュペリの“星の王子さま”から。残念ながら、またフラリとパリを訪ねたわけじゃないんだ。
ただ、どうしたら、何をしたら、再びあの街を訪れることが出来て、親しくなった人達と再会出来るのかと、ぼんやりと考えていた。
ジャンポール・エヴァンの、マカロン・ショコラ・アランシェンヌ。パリと変わらない物が日本にもあるのだから、道は繋がっていると思うんだ。だから迷っているのは僕自身の心に過ぎないと思い、再び歩き出そうと思う。今度は、前を向いて、星を頼りにして。

20110319

ありがとう


は過ぎゆく。記憶も、思い出も、良いことも悪いことも、全ては流れ去っていく。僕はそれで良いと思う。ただ、ふと思い出すことがあり、それで心落ち着けるのであれば、それが幸せなんだと思うんだ。
だからこそ僕は、大切な物事を、時に思い出すようにしている。ゆっくりと、感謝しながら。

三色萩乃餅(Trois sortes de ohagi)


京都
かさぎ屋 かさぎや
http://2nenzaka.ne.jp/view.php?id=kasagiya



二寧坂の甘味処で、竹久夢二も通ったそうだ。夢二が美人画を描いていたことよりも、僕は彼が、かさぎ屋に通っていたことの方を強く記憶している。愛しい女性が居ればこそであろうが、甘いものが好きだったのだろう。そんな夢二を僕は、少しだけ身近に感じているんだ。

記憶は記録とは異なり、確実に変容していく。良くも悪くも、不確かなシロモノだ。思い入れがあれば、そのとき感じたこと以上に鮮明な記憶となるだろう。でも、悪い記憶は忘れたらいい。良い記憶を思い出すことできっと、流され薄れてゆくだろう。
僕は日常的に甘いものを好むのだが、たとえば君が…そうだな、癒しなんて物を求めてこの店を訪ねたいと言うのであれば、いつでも僕を呼びつけてくれ。案内するよ。そりゃ僕だって、美人と一緒の方が良いけれど、友の頼みだ、駅まで迎えにも行くさ。

そう話しながら彼は、嬉しそうに3つのお萩をペロリと平らげた。白漉し餡のおはぎは、寒い時期だけで、もうすぐ黄な粉のおはぎに代わるそうだ。
『すみません、善哉を1つ!』
彼がこの店を訪ねる理由が、私のお供だとは信じられないわ。

20110314

L'amour naît


している。ただそれだけで、幸せになれる不思議。愛している。ただそれだけで、全てを信じられる神秘。
甘い薔薇が微笑むの。あなたを愛していると、私の心の真ん中で笑っているの。
3つの愛を重ねて。愛が生まれた瞬間の、甘さと優しさを君に。

いちごのショートケーキ(Gâteau aux fraise)


東京
Kaori Hironé カオリヒロネ



日本には、ヴァレンタインデーとホワイトデーがある。義理とお返しなんて、なんと日本的なことだろうか。
商業主義とか、もう流行らないとか言われるけれど、良いじゃない。だって僕たちは、愛するために生まれてきたんだから。
naît à L'amour.
La vie naît à L'amour.
もっと素直に、もっと優しく。愛だけが全て…。

20110313

キスまでの距離


の羽ばたきは蝶のように、その香りは花のように咲いて、僕らの指先に止まる。その指は、恋する小指かも知れないし、未来をさす人差し指かも知れないし、約束の薬指かも知れない。
ねぇ、君はいま、何を考えているの?教えてよ僕に。

そして彼女は悪戯に、可愛い瞳を閉じて微笑んだ。

ショートケーキ(Verrine aux fraise)


東京
Pâtisserie Cacahouète Paris カカオエット・パリ
http://www.cacahouete-paris.jp/



多くの人が勘違いしているけれど、生クリームたっぷりのショートケーキは日本のケーキで、いわゆる洋菓子。フランス古典菓子には無い物なの。
だから、フランス菓子店(パティスリ)を名乗るお店には並んでいないのだけれど、やはり日本人としては恋しいところで、どうしても欲しくなってしまう。…君もそうでしょう?
そこで、フランス人シェフのジェローム氏が考案したのは、こんな形のショートケーキ。再構築されたショートケーキを観察すると、僕たちが何を求めているのか、シェフがどんな想いを込めているのかが、理解出来ると思うんだ。

キスまでは何マイル?それとも…

20110312

茜さす


辺に惑う、胡蝶の羽ばたき。はたはたと、ひらひらと。
ゆらぐ光に踊り微睡む。その蝶がとまるのは、君への愛を咲かせる僕の胸の上だった。
ただ愛情だけを、君の吐息に重ねて。

ご褒美いちごのショートケーキ(Récompense de Gâteau aux fraise)


東京
Kaori Hironé カオリヒロネ



店の壁にはゴールドで縁取られた鏡が架けられていて、午後の一瞬に、柔らかな西日が当たる。その時に店内に満ちる雰囲気が、僕は大好きなんだ。
そうそう、
『僕にとってのお菓子は、ご褒美なんかじゃない』
なんて言っておきながら、最初に勧めるのは“ご褒美いちごのショートケーキ”だったりするの(笑)
でも、誤解して欲しく無いのだけれど、これは自分自身のご褒美(と呼ばれる言い訳)なんかじゃなくて、愛情に対するお返しだと考えてもらいたい。愛に報いることが出来るのは、純粋なる愛だけ。だからこのケーキにも、甘くうっとりとする愛情が込められていると感じたんだ。
このケーキを口にした時に、あなたは誰を想うのだろうか?

僕ら現代の日本人には、愛が足りない。もう、全くと言って良いほどに。それは何故か?
あなたは愛してますか?
誰かを、そしてあなた自身を、深く、本当に、心から愛していますか?

20110305

鹿鳴の夢枕


く想いを馳せて、しみじみと野山を眺める。牝鹿の鳴く声を聞いたような気がして、あの人のことを思い出していた。もし、願いが叶うならと、孤悲を募らせて。
それでも陽の光は今日も優しく、あたたかく微笑んでくれていた。もう少し、待ってみようか。

我もしか鳴きてぞ君にこひられし 今こそ声をよそにのみきけ
〜今昔物語

丹波黒豆モンブラン(Mont Blanc au Soja noir )


京都
Comme Toujours コムトゥジュール

20110302

Märchen von Glücks


精の物語が咲いていた。夢に眠る森は甘く微睡んでいて、柔らかな霧が白日夢を連れて来た。
花の歌声に誘われて僕は、物語の中を歩いてゆく。子守唄が道しるべで、昼間の星は天使だった。
童話の扉をノックして、僕はキノコ婦人の家を訪ねた。今日はどんな話しを聞けるのだろうか?

シュバルツヴェルター・キルシュトルテ(Schwarzwälder Kirschtorte)





ドイツ菓子ってなんだろう?
そんな素朴な疑問を与えてくれる、優しさと温もりがあった。もっとも、僕はドイツの事を詳しくは知らないから、物語を紐解くように、一文字一文字を指でなぞりながら追いかけて、ゆっくりとページを繰るように想像してみた。そして其処に、僕の空想を加えてみた。全てを受け入れようと、両手を広げて。
素材使いや組合わせ、技法や表現方法に楽しさを見つける事は簡単だけど、もっと大切なものがある。それは愛情だ。作り手と、受け手側、つまり僕らに必要なものは、信頼なんだ。その先にある愛情を教えてくれるのが、美味しいという事なんだと、僕は考えているんだよね。

20110301

約束のキスを


顔が素敵だったから、天使だと思ったの。君が、僕の天使だと。君の優しさは白く大きな翼で、微笑みは賛美歌のように清らかだった。だからまるで夢のように感じたけれど、手のひらから伝わる君の温もりと、甘いキスの感触が、僕に現実だと教えてくれた。

スペシャル・クラシック・ショコラ(Gâteau au chocolat spécial)


20110228

Il est en Rêves


の咲く頃に、暖かい野原で会いましょう。そして虹の教会へ出掛けて、赤い薔薇を捧げましょう。春に咲く花の全てで王冠を作り、青空の下で式を挙げましょう。
それが僕の夢で、君へのプレゼントだよと、白兎は夢の中で囁きました。夢の続きは、春風の中で。

フレーズィエ(Fraisier)


京都
pâtisserie Tendresse タンドレス
http://kyotocake.com/