20110312

茜さす


辺に惑う、胡蝶の羽ばたき。はたはたと、ひらひらと。
ゆらぐ光に踊り微睡む。その蝶がとまるのは、君への愛を咲かせる僕の胸の上だった。
ただ愛情だけを、君の吐息に重ねて。

ご褒美いちごのショートケーキ(Récompense de Gâteau aux fraise)


東京
Kaori Hironé カオリヒロネ



店の壁にはゴールドで縁取られた鏡が架けられていて、午後の一瞬に、柔らかな西日が当たる。その時に店内に満ちる雰囲気が、僕は大好きなんだ。
そうそう、
『僕にとってのお菓子は、ご褒美なんかじゃない』
なんて言っておきながら、最初に勧めるのは“ご褒美いちごのショートケーキ”だったりするの(笑)
でも、誤解して欲しく無いのだけれど、これは自分自身のご褒美(と呼ばれる言い訳)なんかじゃなくて、愛情に対するお返しだと考えてもらいたい。愛に報いることが出来るのは、純粋なる愛だけ。だからこのケーキにも、甘くうっとりとする愛情が込められていると感じたんだ。
このケーキを口にした時に、あなたは誰を想うのだろうか?

僕ら現代の日本人には、愛が足りない。もう、全くと言って良いほどに。それは何故か?
あなたは愛してますか?
誰かを、そしてあなた自身を、深く、本当に、心から愛していますか?