20110330

Rêve de printemps


女は言った。夢を見たいと。彼は答えた。夢を見せてあげると。満たされたグラスに落ちた流星が、唇に花を咲かせた。
魔法の香る夜に、2人は春の夢を見た。一陣の春風に連れ去られて舞い降りたのは、妖精の国だった。物語は、儚くも楽しい短い夢だった。
酔夢と香りを纏わせて、僕らは夜を抱擁した。

フィアンティーヌ(feuillantine aux fraise et PERNOD)


京都
Krepe クレープ
http://www.ksix.jp/krepe/



春風に、はらはらと舞う木葉を重ねて作ったミルフイユ。そこにペルノーを少々。その香りは、瑞々しい苺と、甘いクリームに良く似合っていた。花の咲く色彩と雰囲気に、緑色の風が優しく薫るような風景が見えた。
さて、ghostはkrepeへと変身を遂げて、Kの冠を頂くようになった。僕はghostを深く愛してはいたけれど、その亡霊に囚われる事無く、新たなKの魅力を楽しめた。それはとても、幸せな事なのだと思う。そこでふと考えたのだけど、この場所に、以前と変わらず存在し続けている魅力_それは魅惑かも知れないし、魔力や引力と呼んでも良いのかも知れない_とは、一体何であろうかと。
…夢であれ魔法であれ、それが何であれ、見えない物を楽しみ信じられる人は、今日もまたこの扉を開けるのだろう。それはもう、間違い無くね。
溺れるのであれば、鰓があれば良い。堕ちるのであれば、翼があれば良い。夢を見たいのであれば…ね?此処にお酒があれば、それで良いんだよ。