20110302

Märchen von Glücks


精の物語が咲いていた。夢に眠る森は甘く微睡んでいて、柔らかな霧が白日夢を連れて来た。
花の歌声に誘われて僕は、物語の中を歩いてゆく。子守唄が道しるべで、昼間の星は天使だった。
童話の扉をノックして、僕はキノコ婦人の家を訪ねた。今日はどんな話しを聞けるのだろうか?

シュバルツヴェルター・キルシュトルテ(Schwarzwälder Kirschtorte)





ドイツ菓子ってなんだろう?
そんな素朴な疑問を与えてくれる、優しさと温もりがあった。もっとも、僕はドイツの事を詳しくは知らないから、物語を紐解くように、一文字一文字を指でなぞりながら追いかけて、ゆっくりとページを繰るように想像してみた。そして其処に、僕の空想を加えてみた。全てを受け入れようと、両手を広げて。
素材使いや組合わせ、技法や表現方法に楽しさを見つける事は簡単だけど、もっと大切なものがある。それは愛情だ。作り手と、受け手側、つまり僕らに必要なものは、信頼なんだ。その先にある愛情を教えてくれるのが、美味しいという事なんだと、僕は考えているんだよね。