20100406

風花


柔

らかに春を包み込んだ、花香る贈り物。
優しい春の陽光を感じさせてくれる桜餅は、花衣にも似て、ふわりと桜の香りを纏った上品な姿でした。

 見上げた霞の薄紅に
  遠く離れたあの人を思えば
   文をしたため 風に送ろうか

桜餅


京都
茶寮 宝泉 ほうせん
http://www.housendo.com/

20100405

夢見たものは


微

風薫る春の遠景。見渡せば、浮世の現も夢と変わらじ。寝ても覚めても蝶の如く、ひらりひらりと、ふわりふわりと、花を求めて彷徨う。
過ぎ去れば、この世は儚い一夜の夢。ならばせめて、美しき夢を見たいものだなぁ…。

春風羹


京都
甘楽 花子 かんらくはなご

夢うつつ


風

に誘われて、名も知らぬ花に出会ったような、不思議な感覚。声無き歌に魅せられて訪れたのは、儚き逢瀬の絵巻物であったのだろうか?
風に散る梅の香に、ふと見る白昼夢の如く、詩編の世界へ導いてくれる刹那の甘さ。
移ろい続ける無常の中で光る何ものかを、その一口に感じたのは幻か。

花子の和菓子の特徴は、叙事的な夢想と呼べば良いのだろうか。口にすると、緩やかに世界の境界線は淡く溶けてゆき、イメージの連鎖が始まる。
その世界に深く入り込んでも、ただぼんやりと眺めていても、短い夢にすぎない。ならば遊べば良いと、消え行く余韻の中で嘯いた。

初めの1品は、抹茶の香りが鮮やかな餅、宇治山。
穏やかで深い苦味の中に咲く甘味と、やわらかな静寂。そこに聞こえた鳥の鳴き声は、春告鳥だったか不如帰であったのか…。

宇治山と桜湯


京都
甘楽 花子 かんらくはなご

20100404

さくら


眺

めれば、淡い夢のような桜の姿。すっと黒文字を入れると、中には華やかな粒餡が咲き誇る。それはまるで、春霞の中に立ち現れた、鮮やかなるまぼろし。夢幻に誘う静かな香気に、遠野物語に見る迷い家を思い出した。

 あさき夢みし春さくら
  儚き想い 風に散れども
   青空に薄紅色の香りを残して

風に溶けていく想い出を、僕らは余韻と呼ぶのだろう。

嘯月セット(春の山+抹茶)


京都
嘯月 しょうげつ

Seseragi Sfera せせらぎすへら
http://www.ricordi-sfera.com/

20100403

白い帽子


青

々とした葉を揺らし、そよ風は空へと昇っていった。
静かにざわめく胸の音は、春の息吹を感じたから。
京都に、花咲く季節がやって来る。

木の芽のミルリトン


京都
SALON DE THE AU GRENIER D'OR オ・グルニエ・ドール

20100402

千里の初音


花

の姿は見えずとも、風に舞い、雨に散った花びらは、川の流れにその香りを残し。
目を閉じれば浮かぶ、春景色。鶯の鳴く憧憬は、うたかたの夢。
梅の花が咲く甘い余韻は、愛しくもあり、恋しくもあり。

抹茶クリームあんみつ


京都
みつばち

20100401

薔薇色の日々


幾

つもの花を散らせ、風を百花に染めあげて、春は空へと魂を舞い上げる。
咲き誇りし花々はまるで、初めから何も無かったかの様に消え去るけれど、過ぎ去りし夢幻に残された僕たちは、胸に大切な約束を秘めて。
淡く佇む残香に、終わらぬ夢を求めつつ、この散る花の美しさよ。

フランボワジェ


京都
PÂTISSERIE . S パティスリー・エス
http://patisserie-s.com/