20101202

銀の朝に


待月の空は澄み渡っており、昨夜の月も、穏やかなる水面に遊ぶように浮いていた。夜であれ闇であれ、晴れておれば心地良いものだ。
戯れの後、眠れぬ夜は明けて、秋の名残に霜降る朝。それでも僕は、まだその美しさに魅かれている。君の優しさと、重ねた季節の温もりに。
見上げれば、西の空の果てへと、金色の月が沈んでいく。君の夢に、僕の半身を残して。

銀杏餅