楽
しい食卓の、最後の一切れ。クリスマスまで繰り返される、祈りと感謝の日々。今日の楽しさと温もりに、明日の希望と輝きに、甘い祝福を捧げよう。汚れなき純白の雪に似た、白き衣に包まれた御子。幼子を愛する聖母の慈悲と、祝福する天使たちの歌声を想いながら、夜の眠りに就こう。優しい夢を、見るために。
シュトレン(Stollen)
神戸
フロイン堂 ふろいんどう
http://www.geocities.jp/koapin1225/huroindou.html
去年、20種類程のシュトレンを食べ比べて、最も僕の好みであったものを、今年はじっくりといただくことにした。
仄かに、しかし華やかに咲く様々な薫りと、しっとりと夢に沈んでいく感覚は、最も祈りに似ていると感じたから、僕はフロイン堂のシュトレンを好きになったと思うんだ。
ちなみに、下のラベルにはいくつか並べてみたけれど、実際のところ、それらが入っているのかどうかは定かでは無い。更に言えば、ベリーのような可憐さや、うっとりとする淑やかさ、そしてなんとも表現し難い優しさのようなものが、ぎっしりと詰まっていた。夜食の後の、家族の語らいには最適かも知れない美味しさだ。
さて、徐々に日本にも浸透してきたシュトレン。本来は、クリスマスまでのアドベントの期間に、夜の祈りとして、一切れずつ食べるそうだ。
文化的食育的背景どころか、信仰心も、家族という単位すらも失った僕たちは、軽くペロリと平らげてしまう。だって、美味しいからね。
これを不信心と呼ばれるならせめて、僕は甘い言葉と祈りを此処に残そう。喜びと感謝と、ごちそうさまとともに。