花
の咲く頃に、暖かい野原で会いましょう。そして虹の教会へ出掛けて、赤い薔薇を捧げましょう。春に咲く花の全てで王冠を作り、青空の下で式を挙げましょう。それが僕の夢で、君へのプレゼントだよと、白兎は夢の中で囁きました。夢の続きは、春風の中で。
フレーズィエ(Fraisier)
serenity of mind becoming a person who is identified with the clouds in the sky and the stream below.
花
の咲く頃に、暖かい野原で会いましょう。そして虹の教会へ出掛けて、赤い薔薇を捧げましょう。春に咲く花の全てで王冠を作り、青空の下で式を挙げましょう。緑
色の瞳と、金色の瞳を持った黒猫が、月の無い夜を散歩していた。僕の部屋の窓ガラス越しに目が合ったので、こんばんはと挨拶をすると、至福の右目をウインクして、穏やかなフランス語で御機嫌ようと返された。…あぁ、この猫は、エリシオンの月猫だったのだ。ゆ
ったりと、ゆっくりと。太
陽の味がする。昼に夜に、晴れの日も曇りの日も雨の日も、ここに暖かな太陽がある。季
節は巡り、再び春は訪れる。降りそそぐ木漏れ日は音も無く降り積もり、優しく冬を解かしていく。夢
に迷った僕たちを、月の光が照らしていた。眠れぬ夜の、夢の続きを、月の光が教えてくれた。甘い微睡みに僕たちは、淡い微笑みでこたえた。D
e bon augure.L
e printemps commence à se faire sentir.C
haque fois qu'elle vient, elle nous apporte des fleurs.苺
のショートケーキを作ってもらったんだ。先日のシトロン試食会用に描いたイラストの、そのお礼に何かリクエストしてと言われたから、迷わず僕は、大好きなショートケーキをお願いしたんだ。愛
が咲いていた。エデンの園に咲き誇る薔薇が、僕の心に咲いていた。ただ其処に、愛だけがあった。恋
するように深い溜息を吐いた後、香る夜を吸い込んだ。世界の果ての果て、地の底深い湖から、太陽の欠片を拾い集めて僕は、明日の陽炎へと溶けていった。陰
日向に惑う、微睡みのうつつ。夢は羽ばたき、長き吐息に胡蝶舞う。儚き香りが消えたとて、記憶よ永遠に。甘い夜の訪れを待つ君。愛を心の中に沃ぎ給えと祈り。街
角に蝶の舞う。ひらひらと風に流れて、甘い花々の記憶を紡いでゆく。君
の眼差し、君の吐息。私の気持ち、私の歓び。僕の想い、僕の迷い。今日の天気、明日の予定。私の願いとアナタの夢。一
瞬の静寂。音の無い世界。深々と降り積もる時間。光が落とした影と夢。星
降る夜の、明方に、帰り忘れた星たちが、ささめく風花に遊んでいた。