誰
に会うわけでもないのに、1度も使っていなかったルージュをつけてみた。鏡の前で、誰かの為ではない笑顔を、ぎこちなく作ってみた。
内容なんて憶えていない小説を手に取って、3回目の物語をなぞってみた。
誰にも会いたくないと思った1日が、何ごとも無くぼんやりとすぎていった。
夜の窓を、静かに優しく、雨が撫でていた。
猫のあくびのような、アンニュイな日に。
メランコリック
serenity of mind becoming a person who is identified with the clouds in the sky and the stream below.