積
重ねられた想い。綴られていく物語。日々の、刻々と過ぎ去る時を、大切にしたいから、記憶の本棚に並べていった。
表紙には、何を印そうか。タイトルは、どうしようか。
それはきっと、僕自身が本棚に並ぶまで、決まらないような気がする。
ただ、祈るように、感謝を捧げた。
ページを繰るように、ナイフを縦に入れていく。
綴られた言葉が、パリパリと囁く。
静かに語られる物語にうっとりとしながら、夢中でリズムと香りを追いかけた。
フォークで口へと運び、瞼を閉じると、私は青い月影の中で、溢れる優しさに包まれた。
ミルフイユ