静
かなる夜の月明かり。影に寄り添うようにそっと、香る闇の愛しさよ。セルジュルタンスの“Nuit de Cellophane”を想わせる珈琲は、沈黙に咲く花や、光り無き世界の眩しさを教えてくれた。飲み干す事の出来ない想い出を、グラスに揺らして。カラカラと涼し気に氷を回し、見えぬ色の匂いに、音の無い名前を付けて遊んだ。
…静にミルクを落とすとそれは、淑やかな夜に溶けていく、淡い夢のようであった。
アイス珈琲
serenity of mind becoming a person who is identified with the clouds in the sky and the stream below.