20101116

夏の想い出


C

omme un petit coquelicot.
ヒナゲシの咲く、丘の上で見た夢は、風と遊ぶ君の笑顔。その微笑みがさすものがなんだったのか、今はもう分からないけれど、それはまた、夢の続きで尋ねるとしよう。

Coquelicot


アルザス
http://www.patisserie-gilg.com/


訪れたのはコルマール店。ふと目にとまったマカロンのヴェリーヌが可愛くて、隣の公園へ連れて行った。
季節は秋の始まりだから、クコリコは夏の想い出なのだろう。目を閉じると、風に遊ぶクコリコの幻が見えたので、これは白日夢のヴェリーヌだと感じた。
もう1つ、しっとりとした栗のムースを、ベンチに腰掛けて食べた。ケーキの名前は“Éphémère”とあったので、日本人もフランス人も、秋に想うことは変わらないのだと知り、クスリと笑ってしまった。
…あぁ、でもそれは慕情では無くて、“女心と秋の空(Souvent femme varie, bien fol est qui s'y fie.)”なのかも知れないよね。どちらも甘いことには変わりないけどさ。