20101117

VIVE LA FRANCE


やかに蘇る、1878年6月30日の歓喜。紙吹雪の舞うモントルグイユ通り。それは壮麗なる祝賀。忘れられない喜びと誓い。クロード・モネの絵に見る光は、きっとこんな香りであったろうと思わせる甘さ。
光り輝く中へ。あぁ、これが喜びという味なのだ。

Babs aux Chantilly


パリ
Stohrer ストレー
http://www.stohrer.fr/



パリで一番の老舗だから、いったいどんな雰囲気なんだろうかと想像していたら、意外にも気さくで庶民的で、気取ってなんかいなかった。だから僕はいつものように、幾つかを包んでもらって持ち帰り、充分に楽しんだ後、それをノートにスケッチした。
気付けば、この店のお菓子が大好きになっていたから、僕は自然とお礼を述べたくなったし、お菓子のスケッチにもメモを添えていただきたかったので、散歩の途中に再び立ち寄ることにした。
店を訪れると、レジには何人かのお客様が並んでいたので、ちょうど目が合った職人さんに頼もうとしてスケッチを見せると、
『あら、すごいじゃない。あなたが描いたの?』
レジを打っていたマダムが、横から覗き込んだ。そしてメモをしようとした職人からペンを取り上げて、(たぶん)こう言ったの。
『私が売ったんだから、私が書くのよ。』
そしてスラスラと、お菓子の説明をスケッチに添えてくださった。
Merci Madame!
並んでいたお客様ものんびりしていて、ノートを覗き込んではスケッチを褒めてくださった。
お店もお菓子もお客様も、穏やかな雰囲気に包まれていたと感じたよ。

花は、花故に美しく香るのだ。