月
を求めて見あげた空は、厚い雲に覆われていた。しかし、雲間から零れる香気は月影のように、僕の心を照らしてくれた。それが昨夜の話しで、月を想うあの感覚と愛しさは、ゴーストのアレキサンダーと、エギュベルのリキュール・ド・ノアゼットのマリアージュに似ていた。姿が見えないからといって、貴女への恋が醒めるはずなど無いのだ。
さて、虚空に輝く月の女神に僕の想いが届いたのか、今宵は清し天空に満月が浮かび、全ての闇を照らしている。美しき人よ、君に捧げる酒は、何が良いのだろうか?
こうして僕の、素晴らしき夜は更けていく。目を閉じずとも、夢と恋は見れるものだよ。
アレキサンダー&ノアゼット
京都
gion ghost ギオン・ゴースト