風
にゆれる様に咲く、淡い眼差しの君。唇から零れる吐息に香る、可憐で慎ましい花。夏の別れのそよ風に、そっと手を振る撫子は、蜉蝣の羽音よりも儚く思えた。せめて声を聞かせて欲しいと願うのは、叶わぬ夢なのだろうか? 月影に浮かぶ花を供にして、長い夜に思いを巡らせた。
長月“大和撫子(やまとなでしこ)”
serenity of mind becoming a person who is identified with the clouds in the sky and the stream below.