静
寂に広がる波紋。水面にゆらめく幽玄。夏の終りの黄昏が、琥珀色に溶けていく。音無き夢幻に響くもの。心に咲き、風に匂うもの。その花を瞼の裏に想い、秘密の名前を囁いた。美しい味とは、味覚だけに留まらず、五感を越えて行く。花咲くものを風味と呼び、散り去りし花の名残を、美味と感じるのだろう。
薫る余韻に、私は目を閉じて微笑んだ。
巻き水
京都
聚洸 じゅこう
serenity of mind becoming a person who is identified with the clouds in the sky and the stream below.