濡れる秋の静けさに、薫り立つ大地の声に耳を澄ませ、琥珀色に輝く時を想う。
深まり、暮れ行く秋の黄昏に、君は何を見つめているのだろうか。
秋雨は、僕たちのあの温もりを奪っていくけれど、蘇る薫りと甘さは、ただ愛しくて。
しっとりと輝くタルトタタン。林檎の甘さとほろ苦さを引き出して、時の魔法で閉じ込めた宝石のように、うっとりとする恍惚のタルト。
下に敷かれた薄いフィユタージュが、雨に濡れた落葉のようで、季節の中を歩いているのだと感じさせてくれる。
東京
LA VIEILLE FRANCE ラ・ヴィエイユ・フランス