南
から吹く女王の風に乗って、白い胡蝶がやって来た。揺れる木陰で羽を休めるその姿は、夢の花が咲いたかの様で、しばし僕は幻想と戯れた。薫る夏の、輝く光を想いながら。ポランジュ(Porange:Mousse au praliné et au Orange)
コアントローの香りに、明るい太陽と白い花を思い出した。プラリネのムースは優しく、その2つのハーモニーが、夏の幻想をふわりと描いた。そう、まるで木陰で蝶が羽根を休めるかのように、僕の微睡みの中で、刹那の幻がゆらりと薫ったんだ。
もう夏が近いことを、茜さす窓辺で感じていた。