魔法の夜。罪よりも深い闇に、緑色の妖精をくゆらせて微睡む。絡みつくその美酒は、恋心に根を下ろし、魂を虜にする。
ゆっくりと溶けていく時間。蠱惑的な香りに誘われて、見えるはずの無い深淵を覗き込む。耳を澄まし、嗜む様に。高貴なる戯れのようなショコラと踊り明かそう。
ゴーストの、シャルトリューズヴェルト。
ショコラを使って表現される、艶やかなカクテルのようなケーキ達は、淑女を酔わせる為に、紳士を惑わす為に。そして何よりも、我ら闇の一族の快楽の為に、心を酔わせてくれる。
ショコラに、罪悪感と恍惚感を感じる全ての者達の為に、この店はある。
血液に溶け、魂を染めていく魔法は、我らの吐息を輝かせる。闇に薫るアロマは星々の囁きに似て、煌めく終末の幻想を見せてくれる。
溺れよう。
この甘い夜に。
京都
ghost ゴースト