20091023

窓辺に咲く花

菊に降る淡雪は、華やぐ羽の音の。幻想の空に天使の気配を感じ、小さな祈りを捧げる。
福音を。この小さき花に、頬笑みを。

その、うつろう夢の香を纏いし佇まいから、初霜に輝く白菊の様でもあり、月影にゆれる星の様でもある。
私が、舞い降りた天使の羽を感じたのは、やわらかな羽二重の口どけに。
儚く消えるも、忘れられぬ余韻のまどろみに、見えぬ天使と君の幻を重ねた。


京都
聚洸 じゅこう