20091030


香りの中で瞳を閉じると、夜の香気を満たした厚い雲が、 ゆっくりと、 ゆっくりと、 闇の上を滑らかに流れてくる。 ふれるだけで溶けてしまいそうな淡雪のような雲は、 夜の帳とともに地上へと舞い降りる。
どうか健やかなる夢の中で眠れと、 子羊達が闇を恐れることが無いようにと、 黒衣の女神は、 静かな歌声で僕らをそっと抱きしめる。
月の雫は、ほのかに甘く。

銀のフォークにトキメキを。
銀のナイフに恋文を。
銀のスプーンにくちづけを。
今夜も夢を、見させておくれ。


京都
Le Sucrier ル・シュクリエ
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