O
n sent l'approche de l'automne.太陽は香る。それは樹々の枝葉から溢れた光りであり、大地に降り積もる温もりであり、無言で見つめる慈しみだった。
秋が近付き、その香りが穏やかになって来た。染まりゆく秋と、短くなっていく日の夕暮れを、僕達は静かに見つめていた。
Macaron Praline(マカロンプラリネ)
マカロンはどれにしようかと悩んでいたら、ちょうどパンを焼き終えたナオトさんと目が合ったので、尋ねてみた。
『うーん…ウチのプラリネはヘーゼルナッツを使っているのだけど、自家製だから美味しいよ。』
それでは試しにと、大きなマカロンをパクリとヒトクチ。そして二口。太陽の頬笑みや、茜さす窓に漂う温もりを感じながら、三口目には、深まりゆく秋の幻想に耽っていた。
そして四口目が無いことに気が付いて、僕はまた、マカロンを選びに店へと走っていた。