20101129

Mon ange


を見ていたのだろうか?それともまだ、夢の続きなんだろうか?
甘い浮遊感と、うっとりとする安心感に、世界は淡く、とけていく。
すべての子供に王冠を。すべての大人に白い翼を。彼らが、夢の世界で暮らせるように。

プリン・ア・ラ・モード(Le Pudding à la mode)





ア・ラ・モードなんて呼ぶけれど、実はプリンは日本語で、これは日本生まれのデザートなんだ。フランスから帰国して、最初に訪れた店がシトロンで、そこにこの可愛いプリンがあったから、迷わず選んでしまったよ。
…あぁ、僕はやっぱり日本人なんだよね。この小さなプリンに、大きな満足感と安心感を覚えて、ただいまとありがとうを呟いた。
ちなみに、これは断言出来るのだけれど、シトロンに満ちる雰囲気と、お菓子から感じる気配は、フランスで感じた喜びと何ら変わらないもので、同じ空を見上げていることが分かったんだ。味だけじゃないの。味覚だけじゃないんだよ。大切なものは、五感と、その先にあるんだよ。

僕は菓子職人では無いし、評論家でも研究家でも無いから、詳しい分析も、批判もしない。ただ、好きから始まったこの道が、恋を経て愛に至れば幸いだと、ミルキーな微睡みの中で願わずにはいられなかった。