菫
色の貴婦人は、僕の闇に咲く綺羅星。後ろ姿に恋をして、通りすぎる香りに想いを募らせた。春の野に咲く静かな菫のように、愛らしくも誠実なる君よ。夢に舞う我が白き胡蝶を、貴女の指先に止まらせてくれないか。
そして僕はキスをした。貴女の右手に、誓いのキスを。
Religieuse à la Viollet
パリ
LADURÉE ラデュレ
http://www.laduree.fr/
お店の雰囲気は、そこに訪れる人々が作り上げると思うの。だから、最初は憧れでも構わないけれど、流行や冷やかしでは無く、愛情と喜びを連れて食事を楽しみ、感謝と未来を残して欲しいのね。
愛さえあれば、何処だって、楽園にも天国にも、秘密の隠れ家にだってなるものなのよ。裏切ったりしないわ。
僕はそんな囁きを想像したので、この素敵な彼女に似合う、香水を探してみた。耳を澄ますように記憶の香りに溺れると、寝室の暗闇に、1つの小瓶を見つけた。それはSERGE LUTENSの、“FOURREAU NOIR(宵闇のドレス)”だった。
『実は、黒いシルクの下着の様な、セクシーな滑らかさと艶やかさも表現しているのよ。上品にね。だから、この香りに惚れない男なんていないわ。』
パレロワイヤルのサロンにて、そんな会話を交わしたことを思い出していた。