20101104

夢に溺れて、雲にたゆたう。


I

l est absorbé dans sa douce rêverie.
その日は朝から、村中が霧に包まれていて、空は1日中雲に覆われていた。それでも遠く太陽を感じるのは、霞がかった世界が全て、淡く光っていたからだろう。
見えない霧の向こう側では、妖精たちのパレードが始まっているかも知れないし、僕はすでに、雲の上に居るのかも知れない。なんてコトを考えながら、午後のお茶を楽しんだ。

Éclair Vanille(エクレール・ヴァニーユ)


アルザス
MAISON FERBER メゾン・フェルベール



エクレアを持って階段を駆け上がると、マダム・エリザベスがリビングルームから声をかけてくれた。
『もう昼食は終わったけれど、こっちで食べる?』
スヌーピー(フェルベール家の愛犬)も、ヨタヨタと近付いて来た。
でも僕は、白いエクレアを白い中庭で楽しみたかったので、
『テラスで食べたいので、お皿だけ貸してください。』
遠慮してるの?なんて顔をされたけど、違うのですマダム。白日夢が見れそうなほどに甘いエクレアを、夢のすぐ近くで楽しみたかったのです。