L
es sanglots longs. Des violons De l'automne.秋風に、紅葉は小さな手を振って、季節と僕らに別れを告げる。
ひと風ごとに、山々は色づいて、眺める君の横顔は、ひと息ごとに、頬を紅く染めていく。
空ばかりを眺めていた僕は、まだ君の溜息の理由を知らないでいた。
Chanson d'Automne / Paul Verlaine
仏蘭西(France)編が続いておりますが、巴里(Paris)の前に、ちょっと京都のお話しも。
足早に秋が駆け抜けており、朝晩は冷え込み、秋の叙情に耽る間も無し。日ごとに変わりゆく色彩は人々を惹き付けるようで、京の町も観光客で混み合ってきました。
秋。それは物悲しいくも恋しい季節だとか言うけれど、何がそうさせるのだろうか。例えば、秋の次が夏ならば、もしくは、秋から1年が始まるのならば、人々は慕情を募らせるものなのだろうか?
青空から降る紅を拾い、指先でくるくると回しながら、朝の鴨川を歩いてみた。ちょっと一息。忙しい僕らの足を休ませるために、季節は美しく粧うような気がして、馴染みの場所で、一服した。紅葉をかたどった、やわらかな和菓子と抹茶で。
パリのマロニエ、公園に降り積もる秋の絨毯や、つむじ風に舞う落葉を思い出したので、旅の続きを書くとしよう。あともう少しだけ、夢の続きを。