20101124

fly me to the moon


くような、月の香りを知っているかしら?
甘く、小さな蕾が花咲くような、静かなパフューム。蝶の羽根のような月光から、夢の夜空に降ってくるの。
そして彼女はそっと、美しく潤んだ瞳を閉じた。

Tarte Tatin


パリ
http://www.lapatisseriedesreves.com/



こちらも新解釈の古典菓子、タルトタタン。でも、タルトタタンには多くのバリエーションがあり、様々な知恵と技術でもって、美味しいタルトタタンを作られています。菓子職人だけではなく、家庭の味でもあると思うの。
さて、このタルトをどう表現しようかと考えていたら、ちょうどHelena Noguerraの歌声(Toi Mon Auto)が流れて、その甘さと浮遊間が、タルトの余韻に似ている気がしたのね。だから彼女の歌に、何かヒントは無いかと探し求めていたら、ジャズのスタンダードでもあるfly me to the moonに行き着いて、歌詞のイメージから、上の文章が書けたってわけさ。
そうそう、“言い換えれば”そーゆーコトだよね(笑)

PS.
僕はタルトタタンを食べて、それを素早くスケッチして、エルザに説明文を添えてもらった。
薄く重ねられた林檎も、歯ごたえの良いパイも美味しかったけれど、それを引立てるクリームが素晴らしかったので、これは何かと尋ねたら、
『フフフ、ここに書いてあるよ。』
そう言ってアセヌが指差した場所を見ると、Mascarponeと書いてあった。
オリジナルのクレームシャンティは、現在よりも濃厚で酸味があったそうだから、ここにも古典を大切にする思想が見えて、増々この店のお菓子が好きになったんだ。